KCCSでは今後、基地局の設置を進めネットワーク環境を構築するとともに、デバイスパートナーに技術協力をし、センサーデバイスの開発などを促進。さらにこのデバイスを用いたIoTサービス開発などを行う「IoTサービスプロバイダー」を増やし、SIGFOXをベースとした新たなIoTによるエコシステムの構築を目指す。基本的にはデバイスパートナーには無償で協力をし、IoTサービスプロバイダーが使用するネットワーク通信料がKCCSの売上高となる。IoTサービスプロバイダーはSIGFOXを通じて自由にデバイスやサービスを構築して新たなビジネスを行うことが可能だという。
IoTサービスプロバイダーの拡大に向けてはパートナープログラムを設置。既に現在でも40社のエコシステムパートナーが決まっているという。
SIGFOXの魅力は何といっても圧倒的な安さである。1年間の1回線(デバイス)当たりの通信費用は100円レベルから用意しており3年使ったとしてもたったの300円だ。さらに低消費電力であり電池で約5年間運用が可能だ。そのためIoTに必須と見られていた商用電源なしに利用できる。
KCCS 代表取締役社長の黒瀬善仁氏は「例えば、1日50回以下のアクセスで数万台出るようなデバイスについては、年間の利用料は1000円を切るような想定となる。3年間で考えても3000円となり、製品に組み込んで売り切りにできるレベルとなる。あらゆる機器に組み込んでいきたい」と述べている。
今後は、まずは2017年2月までに東京23区でサービスを開始できるように基地局設置を進めていく。その後、2017年3月までに川崎市、横浜市、大阪市でサービスを開始。2018年3月までに政令指定都市を含む全国36都市でサービスを開始する計画であるという。2017年3月までに設置する基地局数は120カ所となる。黒瀬氏は「まずはこの計画で進めるがIoTは人がいない場所でも使えるという点が魅力でもあるので、必ずしも人口カバー率を指標にはできない。今後はビジネス環境なども見据えつつニーズが高いところから順次カバーエリアを広げていく」と述べている。
KCCSでは、2020年度までに累計接続デバイス数1500万台、年間売上高100億円を目指すとしている。黒瀬氏は「数百万台レベルの普及がなければ損益分岐点を超えることは難しい。ビジネスモデルは難しいが、多くのIoTサービスプロバイダーを募り、IoT活用普及を進めていきたい」と語っている。
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