このようなツールの紹介をすると「IT系のツールを入れないと、ネットワーク機器の監視はできないのか?」という疑問を持つかもしれません。実は、従来の設備の延長で、製造現場に役立つ機器も存在します。
生産設備では、SCADAや回転灯などで監視をしていることも多くあります。ネットワーク化が進む昨今では、先述したIT系のネットワーク監視ツールの評価も工場現場で進むと考えられます。ただ、現存の仕組みに監視システムも組み込みたいという需要も数多く存在します。そうしたニーズに応えるトラブル時にドライ接点出力を行えるネットワーク機器も存在しています。
このように、ネットワーク機器も適切な機器選定や設定を行えば、監視も行えることをご理解いただけたかと思います。
しかし「監視をするということは設定がすごく大変なんでしょ? 設備管理のメンバーにイチから教えるのは無理だよ」という声もあるでしょう。実は、産業用のネットワーク機器では、簡単に設定情報をネットワーク機器に投入できる方法が提供されています。このような機能も機器選定の参考にしていただければと思います。
本連載では、IoTやIndustrie 4.0を背景として、工場におけるネットワークが極めて重要性を増してくることを見据え、基本的なネットワークの仕組み・活用方法を解説してきました。連載を始めた半年前と比べても、製造業でのIoTによるビジネス改革がますます進んでいるということは多くの方が肌で感じるていると思います。
「ハブ(ネットワーク機器)のメーカー・型番は気にしたことがない」というお声を聞くこともありますが、ネットワーク機器も生産設備の一部なのです。「ネットワークトラブルで生産設備が止まる」といった事態に陥らないように、ぜひ自社の工場の状況を再確認頂ければと思います。本連載が、皆さまの設備設計のヒントになれば幸いです。
ネットワンパートナーズ マーケティング&ビジネス開発部。
2002年より、ネットワークを中心とした情報通信インフラ設備の提案・導入に従事。近年では、製造業を中心としたIoT化支援を中心に活動中。
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