Volvo Cars(ボルボ)とライドシェアサービス大手のUber Technologiesは、ドライバーによる運転操作が不要な無人運転をも視野に入れた次世代自動運転車の開発で協業すると発表した。この開発プロジェクトに、両社で3億米ドルを投資する。
Volvo Cars(ボルボ)とライドシェアサービス大手のUber Technologies(ウーバー)は2016年8月18日、(欧州時間)、ドライバーによる運転操作が不要な無人運転をも視野に入れた次世代自動運転車の開発で協業すると発表した。この開発プロジェクトに、両社で3億米ドルを投資する。
両社が持つ最新の自動運転技術を盛り込んだ新たなベース車両を開発する。この自動運転ベース車両はボルボが開発し、ウーバーが購入する。両社は、それぞれの自動運転車開発戦略を次のステージに進める中で、この自動運転ベース車両を利用していくことになる。
自動運転ベース車両は、ボルボのモジュラープラットフォーム「SPA(Scalable Product Architecture)」を基に開発される。既にボルボは、SPAに基づく新型車として、SUVの「XC90」やセダンの「S90」、ワゴンの「V90」などを市場投入している。自動運転技術や電動化技術、コネクティビティなどの搭載を想定しているSPAのモジュラーコンセプトが、両社の協業の決め手になったとしている。
ボルボ社長兼CEOのホーカン サミュエルソン(Håkan Samuelsson)氏は「この協業によりボルボは、自動車産業で今起こっている技術革新の中心に身を置くことになる」と語る。また、ウーバーCEOのトラビス・カラニック(Travis Kalanick)氏も「交通事故による悲劇をなくすには自動運転技術が重要な役割を果たすが1社だけでは実現できない。ボルボとの協業により“未来”を早期に実現できるだろう」と述べている。
ウーバーは2016年5月、トヨタ自動車との間でライドシェア領域における協業を検討する旨の覚書を締結している。このためか、ボルボとの協業の発表文では「ライドシェア」という言葉がほとん出てこない。開発する自動運転ベース車両を「それぞれの自動運転車開発戦略を次のステージに進める中で利用する」という表現で、ウーバー自身がライドシェアサービスに展開することをにおわせているだけだ。
ただし自動運転技術とライドシェアは、もはや切っても切り離せない関係になりつつある。フォードが2016年8月、2021年までに完全自動運転車を量産すると発表したが、この完全自動運転車はライドシェアサービス用になると言明している。
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