Volvo Cars(ボルボ)は、レーダーやカメラなど複数のセンサー情報の融合(センサーフュージョン)によって車両周辺の検知を死角なく行える技術「360度ビュー」を開発したと発表した。
Volvo Cars(ボルボ)は2014年10月7日(欧州時間)、レーダーやカメラなど複数のセンサー情報の融合(センサーフュージョン)によって車両周辺の検知を死角なく行える技術「360度ビュー」を開発したと発表した。
ボルボは、2020年までに同社の新車が関わる交通事故の死者や重傷者の発生をゼロに抑える「VISION 2020」の実現に向けて、さまざまな安全技術の開発を進めている。今回の360度ビューは、2010年9月〜2014年末の約4年間をかけて進められてきた産学共同プロジェクト「Non-Hit Car and Truck」の開発成果となる。
360度ビューを実現するために、従来の安全システムでは個別に運用されてきた車載カメラやミリ波レーダー、赤外線レーザーレーダー、GPSなどのセンサー信号を一元的に統合する集中処理型フレームワークによるセンサーフュージョン技術を開発した。これにより、自車両の周囲360度を継ぎ目なしに俯瞰(ふかん)できるので、個別の安全システムの間に存在する死角によって発生していた事故を防ぐことが可能になる。各センサーは従来のものを使用しているので、実用化に時間がかからないというメリットもある。
360度ビューによって歩行者や周辺車両などを検知した場合に、自動的に衝突を回避するルートを探す「マニューバ・ジェネレータ」という技術も開発された。マニューバ・ジェネレータは、常に自車両周辺にあるものとの衝突リスクを分析しており、リスクが顕在化した場合には衝突を回避するために必要となる行動を分析し、自動ブレーキおよびステアリングの自動制御技術を使ってドライバーをアシストする。
Non-Hit Car and Truckでは、360度ビューとマニューバ・ジェネレータの効果を確認するために2台のテスト車両を製作したという。
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