日本精機は、「オートモーティブワールド2025」の「第17回 カーエレクトロニクス技術展」において、開発中の「オフセット超単焦点レーザープロジェクター」を搭載したコンセプトカーを披露した。
日本精機は、「オートモーティブワールド2025」(2025年1月22〜24日、東京ビッグサイト)の「第17回 カーエレクトロニクス技術展」において、開発中の「オフセット超単焦点レーザープロジェクター」を搭載したコンセプトカーを披露した。車室内ではルーフやインストゥルメントパネル、車両外ではウィンドウガラスやフロントドアの4カ所で、レーザーによる色鮮やかな映像投影を省スペースで行えることを示した。
オフセット超単焦点レーザープロジェクターは、X軸とY軸の双方にオフセットして近距離かつ斜め方向に映像を投写できる「オフセット超単焦点」と、光ファイバー伝送技術により光源部と投写部を分割していることを特徴としている。オフセット超単焦点によってプロジェクターの投写部と投射エリアの間のスペースを大幅に削減できるとともに、投影した映像の視認性を高める場合に大型化する光源部を分割することで投写部も小型されているので、スペースに限りのある自動車への搭載が可能とする。
ホンダの「フリードAIR」をベースとするコンセプトカーには4台のオフセット超単焦点レーザープロジェクターを組み込んでいる。1つ目は、3列目ウィンドウの下側に組み込んだ投写部から車室内のルーフに投影する「ルーフプロジェクション」だ。2つ目は、助手席上部に組み込んだ投写部からインストゥルメントパネルに対してオフセット超単焦点ではない通常の投影を行う「インパネプロジェクション」。3つ目は、Bピラー上部に組み込んだ投写部から2列目ウィンドウガラスに投影し車両外部に向けて映像表示を行う「ウィンドウプロジェクション」である。そして4つ目は、ドアミラー内に組み込んだ投写部からフロントドアに投影してクルマから周辺歩行者などに対してコミュニケーションを行う「ボディプロジェクション」となる。
なお、オフセット超単焦点レーザープロジェクターの色域は90%以上(BT.2020)で、投写範囲は30〜90インチ。システムの体積は投写部が600cc、光源部が1800ccで、光ファイバー長は最大5mとなっている。
現在は開発中の段階だが、自動車向けの他、建築向けなどさまざまな用途で提案を進めているところだという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.