自動運転機能は高級車限定から全モデルへ、TIがCES 2026で見せる最新車載技術CES 2026(1/2 ページ)

日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、「CES 2026」に出展する車載SoC「TDA5シリーズ」、4Dイメージングレーダー「AWR2188」、車載イーサネットIC「DP83TD555J-Q1」を発表した。

» 2026年01月06日 09時30分 公開
[安藤照乃MONOist]

「多くのOEMが自動運転レベル3への移行を計画」

 日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2026年1月6日、エレクトロニクスを中心とした最先端テクノロジーの展示会「CES 2026」(同月6〜9日[現地時間]、米国ネバダ州ラスベガス)に米国本社のTIが出展する車載半導体の新製品を発表した。今回発表したのは、最大1200TOPSの演算処理を持つ車載SoC「TDA5シリーズ」、4Dイメージングレーダー「AWR2188」、車載イーサネットIC「DP83TD555J-Q1」の3つである。

TIが目指すスマート車両のビジョン TIが目指すスマート車両のビジョン [クリックで拡大] 出所:日本TI
TIのローランド・スペーリック氏 TIのローランド・スペーリック氏

 TI 副社長のローランド・スペーリック氏は「今後数年以内に多くのOEM(自動車メーカー)が自動運転レベル3相当への移行を計画している。これに伴い、車両アーキテクチャは従来の分散型から、高度なセンサーフュージョンとAI(人工知能)処理を担うセントラルコンピューティングへの進化が不可欠だ」と述べた。その上で、自動運転や高度な安全システムの機能を一部の高級車に限定せず、全車両モデルへ普及させることを目指し、性能、電力、コストのバランスを最適化した新技術を投入すると強調した。

最大1200TOPSのAI演算性能でレベル3実現を加速

 TDA5シリーズは、高性能コンピューティング向けに設計されたSoC(System on Chip)だ。AIアクセラレーションの中核には、TI独自のNPU(ニューラルプロセッシングユニット)として第7世代に当たる「C7 NPU」を搭載し、従来世代と同等の消費電力を維持しながら、AI演算性能を最大12倍にまで引き上げた。これにより、10TOPSから最大1200TOPSの広範なエッジAI演算性能と、1W当たり24TOPSを超える電力効率を実現している。リアルタイムでの複雑な意思決定を可能とし、SAE(米国自動車技術会)が定める自動運転レベル3相当への対応を実現する。

「TDA5シリーズ」の特徴 「TDA5シリーズ」の特徴[クリックで拡大] 出所:日本TI

 アーキテクチャ面では、UCIe(Universal Chiplet Interconnect Express)技術に対応したチップレット設計を採用。これにより、OEMは単一の製品ポートフォリオをベースに、車両セグメントや自動運転レベルに応じた柔軟な機能拡張が可能となる。ハードウェアにはArmの車載プロセッサコアで最新となる「Cortex-A720AE」を搭載し、ADAS(先進運転支援システム)、インフォテインメント、ゲートウェイといった複数の機能をシングルチップに統合できる仕様とした。これらにより、システムの簡素化に加えて、自動車向け機能安全規格のISO 26262で最も高い安全要求レベルであるASIL-Dを外付け部品なしで達成できるとしている。

車両の運転レベルに応じたシームレスな拡張を実現 車両の運転レベルに応じたシームレスな拡張を実現[クリックで拡大] 出所:日本TI

 また、車載ソフトウェア管理を簡素化するため米Synopsysと協業し、TDA5シリーズに向けた「Virtualizer Development Kit(仮想開発キット)」を提供する。デジタルツイン技術の活用により、ハードウェアを用意することなくTDA5シリーズのソフトウェアの開発やテストが可能となり、車両の市場投入までの期間を最大12カ月短縮できる見込みだ。同シリーズのサンプルは、2026年末までに一部のOEMなど向けに提供開始予定としている。

仮想空間での開発を支援 仮想空間での開発を支援[クリックで拡大] 出所:日本TI
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