Ford Motor(フォード)は、ステアリングやアクセル、ブレーキなどを持たない完全自動運転車を2021年を目標に量産すると発表した。量産する完全自動運転車は、米国自動車技術会が定める自動運転レベルのレベル4を満たし、ライドシェアサービス用の車両として展開する。
Ford Motor(フォード)は2016年8月16日(米国時間)、ステアリングやアクセル/ブレーキペダルなどを持たない完全自動運転車を2021年を目標に量産すると発表した。量産する完全自動運転車は、米国自動車技術会(SAE)が定める自動運転レベルのレベル4を満たし、フォード自身で手掛ける方針を表明しているライドシェアサービス用の車両として展開する。
2021年の完全自動運転車量産に向けて、4社のスタートアップ企業への投資や協業を行い、2015年1月に開設したシリコンバレーの研究開発拠点の規模を2倍に拡張する方針も明らかにした。
フォード社長兼CEOのマーク・フィールズ(Mark Fields)氏は「これからの10年間は、自動車の自動化(オートメーション)によって定義される。自動運転車は、100年前のフォード生産方式の動く組み立てラインと同様に大きなインパクトを社会にもたらすだろう。われわれは自動運転車を道路で走らせることに注力していく。これは、何百万人の人々に関わる安全性の向上、社会や環境の課題の解決を可能にするものであり、一部の高級車向けに行うことではない」と語る。なお、フォードは「Ford Smart Mobility」という戦略を打ち出しており、今回の完全自動運転車量産もその一環となる。
フォードは、自動運転車開発で10年以上の経験があり、ソフトウェアとセンシング技術を融合した上で大規模量産するエンジニアリングのノウハウでアドバンテージがあるという。この他、ミシガン大学の都市を模擬した自動運転車のテストコース「Mcity」や、降雪下、路側灯のない夜間に自動運転車を走らせた最初の自動車メーカーだとしている。
また2016年からは、約30台の「フュージョン・ハイブリッド・セダン」の自動運転試験車をカリフォルニア州、アリゾナ州、ミシガン州で走らせている。2017年はこの台数を3倍に増やす計画だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.