第4次産業革命として注目される「インダストリー4.0」は、既に実践段階に入っている。技術的にはOPC UAベースでの実装が推奨されているが、意図する“しなやかさ”を実現するための技術的な困難は残されている。
この連載ではIoTに関する規格や団体を取り上げており、PROFINET、OPC(OPC UA)と来たので今回は「Industrie 4.0」の話をご紹介する。Industrie 4.0というのはドイツ語で、英語だとIndustry 4.0という名称になるのだが、日本ではIndustrie 4.0で普通に通じる(というか、インダストリー4.0と称される事が多い)のでこのままにしたい。
もともと「Industrie 4.0」という名称を使い始めたのはドイツ政府である(Zukunftsprojekt Industrie 4.0)。2011年のハノーバーメッセで初めて発表された概念というか単語であるが、2012年の10月にはワーキンググループが結成され、実際にIndustrie 4.0の概念や定義、実装に向けての実作業が始まっている。
そもそもIndustrie 4.0とは何か、という話はもういまさら必要ないだろう。Photo01はその概念図だが、第1次 → 第2次 → 第3次と進んだ産業革命が、ここからは第4次として勃興するだろうという話だ。
MONOistでも特集ページ「インダストリー4.0が指し示す次世代工場の姿」を設けているほどだから、詳しい話はこちらの記事を読んで頂いた方が良いと思う。記事は多く掲載されているが、まずは川野俊充氏の「ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?」の前編と中編、そして後編を読んでもらえれば、概略を理解できると思う。本稿では、この3記事をご覧頂いていることを前提に話を進めたい。
・ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】
・ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【中編】
・ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【後編】
Industrie 4.0の掛け声はすばらしかったのだが、2014年の段階で実態はまだ「つながらない工場」だった、というのは「ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【後編】」で言及されているとおりだった。それも、一番デバイスに近いフィールドバスのエリアでの接続性に難渋している、というのはある意味分かりやすい。
そして、この問題は現在もまだ続いている。2015年4月に「RAMI4.0」(Reference Architecture model for Industrie4.0)と呼ばれる、Industrie 4.0を構築するためのレファレンスモデルに関するドキュメントがリリースされた。
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