独自の刃先形状で加工時の衝撃・振動を抑制する、極小径高送りカッタ:FAニュース
京セラは、金属部品の加工に使用するフライス工具の新製品として、極小径高送りカッタ「MFH Micro」を開発した。独自の刃先形状を採用したチップにより、被削材への接触時の衝撃やびびりを抑制し、低抵抗で高能率な加工を可能にした。
京セラは2016年3月23日、金属部品の加工に使用するフライス工具の新製品として、極小径高送りカッタ「MFH Micro」を開発した。平面・肩加工、等高線加工、溝加工、ポケット加工、ランピング加工、ヘリカル加工などに対応する。
MFH Microは、新たに開発したチップと、それを固定する専用ホルダを組み合わせた刃先交換型の高送りカッタ(エンドミル)となる。チップには独自の刃先形状「3次元凸型切れ刃」を採用し、被削材へ接触する際の衝撃やびびりを抑制。低抵抗で高能率な加工を可能にしている。
また、条件の最適化により、最大切り込み深さを0.5mmまで拡大し、加工回数を低減した。1刃当たりの送り量(移動量)を高く設定することで、広範囲で安定した高送り加工を可能にしている。
加工径(直径)は8〜16mm。チップ材種には、同社独自の特殊ナノ積層コーティング「メガコート ナノ」とCVD(化学蒸着)コーティングの2種がある。ホルダは10型番、チップは3型番をそろえ、価格はホルダが1万8500〜3万5200円、チップが800円(いずれも税別)。発売は2016年4月1日の予定だ。
極小径高送りカッタ「MFH Micro」
FAニュースをはじめ、産業用ロボット、インダストリー4.0、PLCや産業用ネットワーク、制御システムセキュリティなど注目の話題をまとめてお届けしています。
ぜひ、メルマガ配信のご登録をお願い致します。
- スマホで内臓脂肪を測定、京セラの生活習慣改善サービス
京セラがウェラブル端末ととスマートフォンアプリを活用した生活習慣支援サービスの提供を発表した。スマートフォンで内臓脂肪面積を推定できるほか、活動に応じたポイントで商品が購入できるなど、「楽しく継続」を突き詰めたサービスだ。
- スマホで負けたのは“握手しながら殴り合えなかった”からだ
NECがスマートフォン事業から撤退を発表し、パナソニックも個人向けのスマートフォン事業休止を宣言した。“ガラパゴス”環境で春を謳歌した国内スマートフォン端末メーカーが相次いで苦境に立たされた理由はどこにあったのか。京セラや外資系端末メーカーなど携帯電話関連業界に身を置いてきた筆者が、経緯を振り返りながら問題点を分析する。
- 「アメーバ経営」とは何か
グローバル競争の激化により多くの日系製造業が苦しむ中、にわかに注目を浴びているのが「アメーバ経営」だ。京セラをグローバル企業に押し上げ、会社更生法適用となったJALを復活させた原動力は何だったのか。本連載では、「アメーバ経営とは何か」を解説するとともに、その効果を示す事例としてJAL整備工場での変化について紹介する。第1回となる今回は「アメーバ経営」そのものを紹介する。
- 固体酸化物形燃料電池(SOFC)技術〔後編〕注目の集まる家庭用燃料電池の知財動向を読む
いま注目を集めている固体酸化物形燃料電池(SOFC)に対し、材料メーカーとシステムメーカーはどのような知財戦略をとってきたかを検証。今回も出願年に注目したいので商用データベースを試用する。
- 電気料金値上げに「対抗」するには
電気料金の先行きが怪しい。長期的な見通しは難しいものの、料金が下がる見込みは薄いだろう。電力会社に頼らず、電気料金を下げる方法はないだろうか。2012年に入って改善が急速に進む「エネファーム」に焦点を当てた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.