人材紹介会社集合サイト「ミドルの転職」が、「円満退職」についての調査結果を発表。退職時のトラブルとして、7割以上が「企業からの強引な引き止め」を挙げた。
エン・ジャパンが運営する人材紹介会社集合サイト「ミドルの転職」は2016年3月15日、「円満退職」についてのアンケート調査結果を発表した。それによると、4割以上の転職コンサルタントが、ミドル層の転職では「引き止めがあるケースが多い」と回答。退職時のトラブルの原因は、1位が「企業からの強引な引き止め」だった。
調査の対象者は、同サイトを利用する転職コンサルタントで、そのうち153名から回答を得た。
ミドル層が退職意向を伝えた際に、在籍企業から引き止めがあるケースとないケースではどちらが多いかを尋ねたところ、43%が「引き止めがあるケース」と答えた。コア人材として活躍しているミドル層に対し、企業からの引き止めが多いことが分かる。
続いて、退職時・退職後にトラブルになる理由として多いものを調査。1位は「企業から強引な引き止め」(76%)、2位は「自分の業務の後任者が決まらない」(60%)だった。
具体的なエピソードとしては、「引き止めを受け、円満退職をしたいと入社時期をずらしたことが原因で次の会社を辞退せざるをえなくなった」「引き止めるために退職日直前まで重要ミッションを任され、退職日にこの業務を途中で投げ出すのかと脅された」などが寄せられた。企業からの引き止めがトラブルにつながっている状況がうかがえる。
次に、ミドル層が退職を切り出す適切なタイミングについて尋ねたところ、半数以上が「退職希望日の1カ月前」(58%)、「退職希望日の2〜3カ月前」(51%)と回答。1カ月前と回答した人からも「1カ月では最低限の引継ぎしかできない可能性がある」というコメントが多かった。ミドル層は重要なポジションやミッションを任されていることが多く、退職を切り出す場合は、希望日の2〜3カ月前には企業に退職意向を伝えておくことが望ましいと言える。
また、「円満退職のために、退職の意思表示をする前に在籍企業でやっておいた方が良いこと」には、「直属の上司や所属部署の上長とコミュニケーション」(70%)が最も多く挙げられた。「在職企業に関する不平・不満を周りに言わない」「周囲から信頼される仕事の成果を出す」は46%で同率。上司とのコミュニケーションと回答した人からは「お互いが本音を語れる環境を作っておくことが、スムーズな退社には必要」「(最初に退職を切り出すのは直属の上司なので)相談しやすい関係を作っておいた方がスムーズ」などのコメントが寄せられた。
最後に、「円満退職ができないことのデメリット」を尋ねた。その結果、「退職日までの間に、在職企業での人間関係が悪くなる」(44%)、「転職後に在職企業の人脈が活用できない」(41%)といった人間関係に関することが上位に挙がった。円満退職することは、これまで築いてきた人脈を強みにするためにも重要だと言えそうだ。
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