WINDSネットワークの副会長を務めることになった東京大学の石川氏は、「CMOSセンサーの世界シェアは国内メーカーで50%を超える勢いにもかかわらず、その用途はデジタルカメラとスマートフォンにとどまっている。これまでのCMOSセンサーの開発指標は解像度と感度だったが、速度という新たな指標を基にしたアプリケーション開発によって、CMOSセンサー市場はさらに拡大するだろう。WINDSネットワークでは単なる高速撮影だけではなく、高速撮影した映像をリアルタイムで処理して動くモノの制御に使う、ビジュアルフィードバックも視野に入れている」と語る。
WINDSネットワークでは、既に要素技術としては一定レベルの水準に達しつつある高速CMOSセンサーそのものではなく、その用途拡大や新産業創出が狙いとなっている。石川氏は、「WINDネットワークは、業界内での活動にとどまりがちな“コンソーシアム”ではない、新しいタイプの組織として設立した。目的とする高速CMOSセンサーの用途拡大や新産業創出には、高度な要素技術にシステムデザイン力を融合する必要がある。そのために、業界横断で広範な産業から参加しやすいよう“緩やかな”組織にした」と強調する。
実際、WINDSネットワークの制約は極めて少ない。参加は企業単位でも、企業内の部課単位でもよく、入退会も自由。組織の運営費用は、年会費ではなく、開催するイベントごとに徴収する参加費で賄うとしている。その上、会員としての義務もない。
制約が少ないのは、WINDSネットワークの活動が、基本的に「出会い」と「情報交換」の場として設定されているからだ。「WINDSフォーラム」と呼ぶセミナーをはじめとする情報交換の場を用意し、会員内でオープンに意見を交わす。その中で、会員間で事業化の可能性が見えてくれば「WINDSアライアンス」という活動に段階を移すことになる。
もしWINDSアライアンスが正式に事業化の段階に入れば、「WINDSネットワークから出て、“巣立つ”ことになる」(石川氏)としている。また事業化の段階では、NEDOによる実証事業や研究開発事業の枠組みでの支援も期待できるという。
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