富士経済は、世界の宇宙関連ビジネス市場を調査し、2040年の市場規模が2024年比12.2倍の23兆3374億円に拡大すると予測した。宇宙旅行や有人P2P輸送が成長をけん引し、民間需要の拡大が見込まれる。
富士経済は2025年11月6日、ロケットや人工衛星、宇宙旅行などを対象に、世界の宇宙関連ビジネス市場を調査したと発表した。2040年の市場規模が2024年比で12.2倍の23兆3374億円に拡大すると予測。2035年頃から宇宙旅行や有人P2P(Point to Point)サービスが急速に伸び、成長をけん引するとしている。
調査は、宇宙製品、機器8品目、宇宙利用サービス7品目の市場について、2025年3〜8月に実施。宇宙製品、機器は現状、ロケットおよびスペースプレーン市場が約6割、人工衛星市場が3割以上を占める。宇宙利用サービスの現状は、衛星データサービス市場が約6割を占めている。
ロケットおよびスペースプレーン市場は、2040年には2024年比で7.1倍となる4兆3135億円に拡大見込みで、特に再使用型ロケットが11.2倍の伸びを示すと予想される。人工衛星市場では通信衛星を中心に需要が拡大し、衛星データサービスも4兆4240億円(同7.5倍)へ拡大すると予測。光無線通信端末の普及が高速、大容量通信を支え、利用範囲を広げるとみられる。
衛星データサービス市場では、現在約8割を占める官需要に対し、AI(人工知能)の活用や新規サービスの登場により民間需要が急増する見通しだ。また、有人P2P輸送は地球上の任意の地点を2時間以内で結ぶ新たな交通手段として注目され、2040年には市場全体の6割を占める3兆円規模に成長する見込みだ。
その他、離陸や帰還地点などの用途による宇宙港およびロケット発射場市場、民間の宇宙旅行の増加による宇宙食市場なども大幅に成長すると予測している。
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