90秒でラーメン通も納得の味!? ソフトバンクの「調理ロボ」がセブン店舗に登場ロボット開発ニュース

セブン-イレブン・ジャパンとソフトバンクロボティクスは、90秒で本格的な調理が可能な蒸式調理ロボット「STEAMA(スチーマ)」を用いた麺料理の提供サービス「お店で仕上げた できたて麺」を埼玉県の一部店舗に導入すると発表した。

» 2025年11月13日 06時15分 公開
[坪田澪樹MONOist]

 セブン-イレブン・ジャパン(以下、セブン-イレブン)とソフトバンクロボティクスは2025年11月11日、東京都内で記者会見を開き、ソフトバンクロボティクスが開発した90秒で本格的な調理が可能な蒸式調理ロボット「STEAMA(スチーマ)」を埼玉県の一部店舗に導入し、麺料理の提供サービス「お店で仕上げた できたて麺」を開始すると発表した。同サービスは同年10月22日から埼玉県の一部店舗で提供を開始しており、11月末に向けて導入店舗数を約40店まで拡大させる方針。また、ソフトバンクロボティクスの子会社グルメエックスがSTEAMA専用に開発した製品群「ぱっと旨っ宅麺」も提供を開始し、随時セブン-イレブンの店舗で展開していく。

ソフトバンクロボティクスが開発した蒸式調理ロボット「STEAMA」のデモンストレーションの様子。麺の入った専用容器をSTEAMAにセットしてボタンを押すだけで調理を開始し、わずか90秒で本格的な麺料理を味わえる[クリックで再生]
セブン-イレブンの赤松稔也氏(左)とソフトバンクロボティクスの畑達彦氏(右) セブン-イレブンの赤松稔也氏(左)とソフトバンクロボティクスの畑達彦氏(右)

 セブン-イレブンはこれまでも、「セブンカフェ」や「セブンカフェ ベーカリー」などの“できたて”のおいしさ/ワクワク感を楽しむことができる商品を提供してきたが、新たな取り組みとして本格的で熱々な麺料理を楽しむことができる商品群を展開していく。

 埼玉県から商品を展開していく理由について、セブン-イレブン・ジャパン 商品本部 次世代商品開発 シニアマーチャンダイザーの赤松稔也氏は「埼玉県にはさまざまな立地や東京には存在しない郊外/道路が集まっている。同県内には約1300のセブン-イレブンの店舗があり、顧客の日常生活に当たり前に商品が広がった際にどのような製品が打ち勝つのか/伸びていくのかを検証する必要がある。今後は初期店舗近隣の約40店舗への導入拡大を目指す」と述べる。

セブン-イレブンの“できたて”の取り組み セブン-イレブンの“できたて”の取り組み[クリックして拡大]出所:セブン-イレブン

 ソフトバンクロボティクスはヒューマンロボット「ペッパー」を2014年に販売して以降、さまざまな分野でロボットやAI(人工知能)を基軸とした事業を展開してきた。今回、新たな取り組みとして蒸式調理ロボットを開発した。ソフトバンクロボティクス RX&FOOD統括 RX&FOOD 事業本部 本部長の畑達彦氏は「STEAMAの名前には、蒸気を表す“S”とAIや物事の始まりを表す“A”という意味を込めている。このロボットは独自の蒸気技術とAIが強みである」と語る。

STEAMAの外観 STEAMAの外観[クリックして拡大]

 ソフトバンクロボティクスが開発したSTEAMAは、高圧/高温の水蒸気を用いて専用の冷凍食品を短時間で調理できる。独自の蒸式調理により、麺の中心から滑らかで弾力のある“ゆでたて食感”や、スープ/食材の豊かな香りと食感も、専門店さながらの味わいを実現できるとする。顧客が麺の入った専用容器をSTEAMAにセットしてボタンを押せば調理が始まり、90秒という短時間で完了する。

 「STEAMAは、『解凍』ではなく『調理』するという部分が一番のポイントである。冷凍した食品はでんぷん質が劣化するという特徴があるが、この状態からでもおいしく食べられるようにするために、高圧/高温なスチームで均一に加熱することで、劣化状態を高い水準まで復活できる」(畑氏)

STEAMAの調理の流れ STEAMAの調理の流れ[クリックして拡大]出所:セブン-イレブン
STEAMAが可能にする3つの調理ポイント STEAMAが可能にする3つの調理ポイント[クリックして拡大]出所:ソフトバンクロボティクス

 多くの人が調理ロボットを使用する想定で開発を進めていき、日常のメンテナンスが簡単でフランチャイズオーナーや顧客に負担が掛からないような設計にしてあるという。畑氏は「製品を開発する上で、画面の操作性と何の説明もなく顧客が操作できるようにしておかないと、それが不満につながってしまう」と強調する。

 また、STEAMA用の商品を開発する際は、調理をするために必要なデータやマーケットでの流行傾向をAI活用によって分析し、STEAMAの特徴を生かすために、どのようなパラメーターで商品化を進めていくのかを決めている。今後はAIから導き出したロジックをロボット側にも反映していくという。

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