GA Roboticsは、UBTECH Roboticsが開発した産業用ヒューマノイドロボット「Walker S2」を2026年前半に発売する。人間に近い運動性能と判断力を備え、製造、物流現場での自動化と人協働を支援する。
GA Roboticsは2025年11月5日、UBTECH Roboticsが開発した次世代産業用ヒューマノイドロボット「Walker S2」を2026年前半に日本で発売すると発表した。製造業や物流、設備点検の現場で、人と同等の動作性能と知覚判断力を持ち、実作業レベルでの人協働を可能にする。
Walker S2は身長176cm、重量73kgで、全身に52自由度を備える。最大歩行速度は2m/秒で、2cmまでの段差に対応する。高剛性軽量ボディーは航空機グレードのアルミと複合弾性樹脂で構成され、両手には11自由度のDexterous Handを搭載。6軸力覚センサーにより、繊細な作業も可能だ。
制御OSはUBTECH独自の「ROSA 2.6」で、AI(人工知能)エージェント「Prov AI」が意図理解やタスク計画、異常検知を行う。双眼ステレオカメラによる高精度な立体視で、部品の形状や位置をリアルタイムに認識する。自動スワップ式のバッテリーを備え、クラウド制御によってタスク優先度に応じた充放電ができる。
応用分野は幅広く、AGV(無人搬送車)との協調による無人物料搬送、自動車の検査や塗装支援、設備点検、在庫管理などに活用できる。ROS2ベースのSDKを提供し、研究機関やSI企業によるカスタマイズも容易だ。URDFやGitHubリポジトリも公開予定で、開発者支援環境を整備している。
多層センサーを用いた冗長安全設計で、人との共存にも対応。将来的には、バッテリーやエンドエフェクターの自動交換ステーション、ERP、MESシステムとの連携なども拡張予定だ。現在、中国国内の製造現場で実証運用を進めており、CE、FCC認証取得後、グローバル展開を予定している。
ヒューマノイドの社会実装阻む3つの壁、「フィジカルデータ生成センター」で打破
国産ヒューマノイド開発のKyoHAに参画企業続々、2026年春にベースモデル完成へ
GMOはAIとロボット産業の仲人を目指す、「ヒューマノイド熊谷正寿」も登場
AIに“身体”を与える──京都ヒューマノイドアソシエーション「KyoHA」が始動
日本の汎用ロボット開発の起爆剤となるか、基盤モデル構築目指すAIRoAが発足
サービスロボット市場は2035年に11兆5481億円規模へ、ヒューマノイドは1兆円弱Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
組み込み開発の記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム