秒間1000フレーム(1000fps)の撮影が可能な高速CMOSセンサーを用いた画像処理技術の普及と用途拡大、新産業創出を目指す組織・WINDSネットワークが設立された。年会費無料、部課単位での参加が可能という、制約の少ない緩やかな組織とすることにより、2016年度内に300会員の参画を目指す。
秒間1000フレーム(1000fps)の撮影が可能な高速CMOSセンサーを用いた画像処理技術の普及と用途拡大、新産業創出を目指す組織であるWINDS(Network for World Initiative of Novel Devices and Systems)ネットワークは2016年2月24日、東京都内で設立会見を開いた。年会費無料、部課単位での参加が可能という、制約の少ない緩やかな組織とすることにより、2016年度内に300会員の参画を目指す。
会見に出席したのは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 電子・材料・ナノテクノロジー部 部長の山崎知巳氏、WINDSネットワーク設立に主導的な役割を果たした東京大学情報処理工学系研究科 教授の石川正俊氏、ソニー デバイスソリューション事業本部 商品開発部門センシング2部 マネジャー 吉村真一氏、日産自動車 総合研究所 モビリティ・サービス研究所 所長の三田村健氏、そして東京大学発ベンチャーであるエクスビジョン社長の藤井照穂氏の5人である。
今回設立されたWINDSネットワークのベースには、NEDOが2014〜2016年度の3カ年で進めている「クリーンデバイス社会実装推進事業」のテーマの1つ「高感度・高速・CMOSイメージャ」がある。同テーマの用途実証では、「ロボットの新たな応用展開」を東京大学の石川研究室が、「積層デバイスのシステム化」をソニーが、「交通・ITS応用」を日産自動車が、「医療でのジェスチャー応用」をエクスビジョンが担当している。設立会見には、これらの大学と企業が参加予定メンバーとして同席したことになる。
会見の冒頭、NEDOの山崎氏は、「デジタルカメラやスマートフォンなどに使われているCMOSセンサーの撮影速度は1秒間に30フレーム、30fpsが一般的だ。このCMOSセンサーを自動車の運転支援システムに適用したとすると、時速100kmで走っているときには1フレーム経過するごとに1m移動している。これに対して、1000fpsの高速CMOSセンサーであれば、1フレーム経過しても30mmしか移動していない。現在よりもより安全性の高い運転支援システムを実現できることは、この数字だけでも理解してもらえると思う」と語り、高速CMOSセンサーの用途拡大を進める意義を訴えた。
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