発表会に登壇したジェイアイエヌ 代表取締役社長の田中仁氏は、「社内だけでなく、東北大学、慶應義塾大学などと産学協同で研究を行った。また、SDK/APIを公開し、オープンイノベーションで開発を行ったため、さまざまな可能性を発見でき、多様なアプリを備えての製品発表につながった。個人的な目標ではあるが、5年後には、取り扱う全ての眼鏡にセンサーを搭載したい」と語った。
JINS MEMEの最終的なゴールは「先制医療」の分野に役立てることだという。発表会に登壇した東北大学加齢医学研究所 所長の川島隆太氏は「国の大きな負担となっている医療費は、“病気になることを防ぐ”ことでしか根本的な削減につながらない。JINS MEMEとその関連アプリは、ただ検出するのみではなく、根本的な“生活改善”をサポートできるよう配慮した」と述べた。
慶應義塾大学スポーツ医学研究センター 准教授の橋本健史氏は、「本来ならば高度なビデオ映像解析技術などを用いて行っていた運動フォームの解析が、JINS MEMEを使って行えるようになった。これはアスリートにとっても、一般の方にとっても素晴らしいことで、けがの防止やパフォーマンスの向上に有効」と説明した。
同じく同会に出席したプロアスリートでスポーツ指導者の為末大氏は「体の軸を、頭を起点に検出できることは大変重要。自分の姿勢が可視化できるため、スポーツの能力向上にも大いに役立つはず」と、JINS MEMEのスポーツにおける有用性を解説した。
今回の発売にあたり、東京都渋谷区に「JINS MEME Flagship Store 原宿」をオープンするという。店内にはアプリ開発者や研究者に対して情報を発信する「DEVELOPER'S STAND」も提供する予定だ。
また、学術研究向けに「JINS MEME ACADEMIC PACK」も2015年10月29日より販売を開始するという。同製品では、一般販売用JINS MEMEでは取得できないRAWデータを利用でき、専用ソフトウェアからグラフなどを閲覧することも可能だ。研究期間にあわせ、プランのカスタマイズが可能なレンタルサービスも行うという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.