デジタル革新に挑む富士通、新たなIoT基盤や人工知能も製造ITニュース(1/2 ページ)

富士通はクラウド、モバイル、ビッグデータ、IoTなど、先端技術を実装した新デジタルビジネス・プラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc(メタアーク)」を発表。新技術を投入したIoT基盤など、複数の新サービスを公開した。

» 2015年09月30日 09時00分 公開
[陰山遼将MONOist]

 富士通は2015年9月29日、東京都内で会見を開き、クラウド、モバイル、ビッグデータ、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)など、先端技術を実装したデジタルビジネス・プラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc(メタアーク)」(以下、MetaArc)の提供開始を発表した。同日よりMetaArcを構成する商品の第1弾として、クラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」(以下、K5)の販売を開始する。

 MetaArcは企業内の業務処理やデータの記録に利用するSoR(Systems of Record)と、顧客企業などとの関係を構築するSoE(Systems of Engagement)の2つの異なるシステムを同一プラットフォーム上で連携できる。クラウドやモバイル、ビッグデータやIoTなどの技術を利用した効率的なSoE開発を支援し、ビジネスのデジタル革新を支援するという。

「MetaArc」の概要(クリックで拡大) 出典:富士通

 MetaArcは5つの要素で構成される。その中核となるのが同日より提供を開始するクラウドサービスK5だ。同サービスははIaaS(Infrastructure as a Service)機能とPaaS(Platform as a Service)機能を備え、さらにパブリック型、プライベート型などシステム要件に応じて4種類を用意。さらに以前より提供している垂直統合型の仮想化・クラウド基盤「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for Cloud」に、K5と同じアーキテクチャを追加したモデルも2015年12月28日より提供する。

「K5」の概要(クリックで拡大)出典:富士通

 富士通 デジタルビジネス・プラットフォーム事業本部 副本部長を務める中村記章氏は「K5は富士通の総力とナレッジを集約して開発している。富士通のシステムエンジニアが自ら開発した製品であり、これまでSEが顧客にクラウドシステムを導入してきた中で培ったナレッジを活用できる」と述べる。

富士通 デジタルビジネス・プラットフォーム事業本部 副本部長を務める中村記章氏

 されに富士通はグループ全社となる640社、1万3000台のサーバーを全てK5に置き換える“社内実践”を進めており、中村氏は「社内実践を進める中で培ったノウハウや、地に足が着いた日本流の提案が行える点が強みになると考えている。価格についても競合製品と同等レベルもしくはそれ以下となっており、競争力のある価格を実現した」と語っている。

 その他の4つは、既存サービスの機能を強化した業務集約ミドルウェア「FUJITSU Software Interstage Application Server」(提供開始時期:2015年10月30日)、モバイル活用基盤「FUJITSU Cloud Service MobileSUITE」(同2015年12月1日)、IoTデータ活用基盤「FUJITSU Cloud Service IoT Platform」(同2016年2月29日)と、新規提供となるマネージドサービス「Hybrid IT Services」(同2015年12月1日)だ。

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