シスメックスは、尿沈渣(ちんさ)検査分野の新製品として、全自動尿中有形成分分析装置「UF-5000/4000/3000」を発売した。海外でも広く利用されている現行製品から、さらに精度や分画能が向上している。
シスメックスは2015年9月1日、尿沈渣(ちんさ)検査分野の新製品として、全自動尿中有形成分分析装置「UF-5000/4000/3000」を発売した。まずは国内で販売を開始し、各国の許認可取得後、海外でも順次発売するという。
尿検査は、尿試験紙を用いた1次的な尿定性検査と、尿定性検査で異常と認められた検体をより詳しく分析する2次的な検査の尿沈渣検査がある。尿沈渣検査は、腎疾患、尿路疾患の診断に活用される重要な検査で、尿中に現れる有形成分の赤血球、白血球、細菌などを臨床検査技師が顕微鏡で観察し、分類・計測する。
今回発売するUF-5000/4000/3000」は、2006年に発売された「UF-1000i」の後継機となる。ブルーレーザーなどを採用することで、検査精度や、検体中の有形成分を成分ごとに分ける分画能を向上させた。尿だけでなく、体液を用いた検査も可能にしている。
また、検体数の増加に応じた装置増設にも対応できる、モジュラーコンセプトを採用。将来的には、尿定性検査装置との連携や、大規模施設における複数台の搬送接続にも対応が可能となる。設計コンセプトに、「サイレントデザイン」を採用し、シンプルな操作パネルを搭載するなど、ユーザビリティを優先。一部試薬に、無線通信によって媒体を自動認識するRFIDカセットタイプを採用することで、試薬の管理・交換も容易にした。
さらに、SNCS機能を標準搭載。ユーザーの分析装置と同社のカスタマーサポートセンターをインターネットでオンライン化することで、リアルタイムで外部精度管理や装置状態の自動監視をしたり、ウェブで情報を提供したりするサービスで、別途有償の契約が必要となる。
同社では、同製品と合わせて尿検査部門の検査結果を一括管理できる「尿検査部門情報管理システム U-WAM」も提供し、運用の効率化に貢献するとしている。
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