富士フイルムは、医療機関向け統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder」内の診療データとAI技術を用いて、外来患者の転倒リスクを予測する技術を開発した。
富士フイルムは2024年6月17日、順天堂大学医学部附属順天堂医院と共同で、診療データとAI(人工知能)技術を用いて、外来患者の転倒リスクを予測する技術を開発したと発表した。
開発には、富士フイルムの医療機関向け統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder(シータ クリニカル ファインダー)」内の診療データと、AI技術を活用。CITA Clinical Finderは、電子カルテや放射線部門システム、内視鏡部門システムなど、院内のさまざまなシステムと連携し、医療データを一元的に管理できる。
集約した診療データをもとに、年齢や特定の薬剤の処方歴など500種類以上の転倒リスクと関連性が高いと考えられる特徴量を生成し、AIに学習させて予測技術を開発した。予測した患者の転倒リスクはパーセンテージで表示され、予測に寄与した特徴量を転倒リスク要因として提示できる。
順天堂医院の外来患者約7万人を対象とし、同技術の精度評価をしたところ、予測精度を示すAUROCは0.96と高い精度を示した。この値は、入院患者を対象とした先行研究のAUROC 0.90よりも優れている。
同技術を活用することで、患者の転倒防止につながることが期待される。両者は、同技術の早期実用化を目指し、検証を進めるとしている。
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