大阪大学は、睡眠時間が5時間未満の大学生は喫煙開始のリスクが高く、特に女性でその傾向が顕著となることを明らかにした。2万6373人の非喫煙者の学生を最大6年間追跡調査した疫学研究の成果だ。
大阪大学は2024年5月29日、睡眠時間が短い大学生は、将来喫煙を開始するリスクが高いことを明らかにしたと発表した。
同調査は、2007〜2015年度に大阪大学に入学した学生のうち、非喫煙者2万6373人を対象に実施した。内訳は男性が1万7493人、女性が8880人で、最大で6年間追跡した。
その結果、入学時の健康診断で睡眠時間が5時間未満と回答した学生は、在学期間中に喫煙を開始するリスクが高いことが明らかとなった。喫煙リスクは、睡眠時間を6〜7時間と回答した学生と比べて、男性で1.49倍、女性で2.50倍だった。
これまでに、非喫煙者と比べて喫煙者は睡眠時間が短いことが報告されていたが、睡眠時間の短かさが喫煙開始のリスクになるかは評価されてこなかった。今回の研究成果から、睡眠時間の短い学生が喫煙予防教育の重点的な対象候補であることや、適切な睡眠時間の確保が喫煙率の低下につながる可能性が示された。
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