ニコンの子会社ニコンソリューションズは、卵細胞質内精子注入法と卵細胞質内形態選別精子注入法用の電動倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-I」を発売した。顕微授精に特化し、不妊治療の件数増加で負荷が高まっている胚培養士の負担軽減をサポートする。
ニコンは2024年7月5日、子会社のニコンソリューションズが、卵細胞質内精子注入法(Intracytoplasmic Sperm Injection:ICSI)と卵細胞質内形態選別精子注入法(Intracytoplasmic Morphologically selected Sperm Injection:IMSI)用の電動倒立顕微鏡「ECLIPSE Ti2-I(エクリプス ティーアイツーアイ)」を発売した。
顕微鏡を活用して卵子を精子に注入する顕微授精には、精子注入など主に6つのプロセスがある。ECLIPSE Ti2-Iは、対物レンズや光量など、プロセスごとに必要だった設定を1つのボタンに集約することで、顕微鏡操作の工程数を約75%削減した。登録ボタンは6つあり、ワンタッチで観察モードを変更できる。
手元のディスプレイは、顕微鏡をのぞいた状態でも操作が可能だ。視認性を高めたアイコンにより、直観的な操作ができる。操作ミスを防ぐため、登録内容と異なる顕微鏡設定で使用するとアラート表示する。
正確な操作を支援するため、ニコン独自の光技術を活用して視野の明るさを向上させた。卵子の向きを変えても容易に識別できるよう、顕微授精で重要となる紡錘体の全方位をカラー表示できる。これにより、精子の注入時に卵子に針を刺す角度の見極めを支援する。
同社は、顕微授精に特化したECLIPSE Ti2-Iにより、不妊治療の件数増加に伴って負荷が高まっている胚培養士をサポートし、不妊治療技術や受精率向上に貢献するとしている。
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