コンセプトIAAを実現できた背景には、研究開発から生産、マーケティング、販売、物流、サービスに至るまでを一貫して結ぶデジタルプロセスチェーンがあるという。ダイムラー会長のDieter Zetsche(ディーター・ツェッチェ)氏は「グローバル化とともに進んでいるデジタル化の流れは『インダストリー4.0』という言葉で広く知られるようになった。メルセデス・ベンツはそのパイオニアだ」と強調した。
実際にコンセプトIAAの開発では、異なる部門間を結ぶデジタルネットワークが不可欠だった。車両デザイナーは複雑なデザインを扱うために最新のアルゴリズミックデザインを運用している。アルゴリズミックデザインによる3次元モデルの動的モデリングによって得られた複雑な形状は、3Dプリンタやラピッドプロットタイピングに代表される革新的な生産技術によって現実化できた。
また世界で最も良好なCd値を実現する上では流体解析が大きな枠割を果たした。メルセデス・ベンツの流体解析の解析専門家が、300の車両形状バリエーションについて、約100万CPU時間に相当する解析を行い、生産モデルの開発につなげたという。
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