第41回 IBIS AMIの基本前田真一の最新実装技術あれこれ塾(3/3 ページ)

» 2015年09月02日 13時00分 公開
[前田真一実装技術/MONOist]
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3.IBIS AMIモデルの問題点

 IBISモデルは、利用者に内容を分かりやすく伝える「ユーザーフレンドリー」ということを1つの目的にしています。

 仕様には全ての記述の意味と定義が分かりやすく説明されています。さらにバージョン5.1以降はフォントを読みやすく、それまでキャラクタデータで書いていた図を線で書き換えるなどして、読みやすさを改善しています。

 IBISファイルはテキストファイルなので、簡単に読んだり編集したりすることができます。

 さらに、表で記述されているI-V特性やV-T特性をグラフ表示/編集したり、IBISファイルのフォーマットをチェックしたりするIBIS EditorやIBIS Viewerなど、便利なソフトもあります(図18)。

図18:IBIS Editor(HyperLinx - Mentor Graphics)

 パワーユーザーであれば実測結果からIBISモデルを手直しして、より精度の高いモデルにチューンアップすることもできます。

 しかし、IBIS AMIモデルでは、実行形式のファイルは内容が見えないので、ユーザー側で、モデルの検証や精度の見積もりはできません。

 当然、IBIS AMI EditorやIBIS AMI Viewerなどもありません。

 モデルを信用して、得られた解析結果は正しいものと思う他はありません。

 実測結果とモデルを合わせこむというような手法は使えません。

 明らかにおかしい結果が出たり、解析がうまくできなかった場合、できることは実行環境の確認だけです。

 モデルの実行環境を用意できなかったり、実行環境が合っているのに間違っていると思われる解析結果が得られた場合には、このモデルは修正ができないので、使用は諦めるしかありません。


筆者紹介

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前田 真一(マエダ シンイチ)

KEI Systems、日本サーキット。日米で、高速システムの開発/解析コンサルティングを手掛ける。

近著:「現場の即戦力シリーズ 見てわかる高速回路のノイズ解析」(技術評論社)


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