武藤工業は、エンジニアリングプラスチックに対応した熱溶解積層方式の大型3Dプリンタ「Value 3D Resinoid MR-5000」の販売開始を発表した。
MUTOHホールディングス傘下の武藤工業は2015年9月1日、エンジニアリングプラスチックに対応した熱溶解積層方式の大型3Dプリンタ「Value 3D Resinoid MR-5000」(以下、MR-5000)の販売開始を発表した。販売価格(税別)は1000万円を予定し、今後3年間で100台の販売を見込む(関連記事:樹脂溶解タイプの「産業用大型3Dプリンタ」を参考展示)。
同社は、パーソナル3Dプリンタ用に自社開発したヘッド部品の素材や形状を見直し、300℃の高温に耐え得る「タフヘッド」を新たに開発。エンジニアリングプラスチックでの造形や高速化に対応し、MR-5000に採用した。
タフヘッドの搭載に併せ、造形精度を向上させるために、ACサーボモータによるコントロールを導入。300mm/秒の高速動作で±15μmの精度を実現した。さらに、エンジニアリングプラスチックでの造形に対応するため、150℃の高温でも平面を維持し、100kgの耐荷重を持つ造形テーブル(特殊アルミ材を使用)も搭載する。
これら新開発のユニットにより、従来のABS樹脂やエラストマー樹脂に加え、300℃程度で吐出可能なナイロンやPC(ポリカーボネート)などのエンジニアリングプラスチックでの高速造形(300mm/秒)を実現。さらに、タフヘッドの特性を生かし、マテリアルをヘッドごとに使い分けることで、樹脂の複合化などの検証(Bi-Matrix構造造形)も可能にしたという(注)。
注:Bi-Matrix構造造形とは、複数の樹脂素材を個別に吐出することで、Main-Matrix樹脂とSub-Matrix樹脂の両特性を持ち合わせた構造体を作成できる造形手法のこと。
MR-5000の最大造形サイズは500×500×500mmで、小ロットの製造から、大型テーブルを生かした多数個取りまで、柔軟に対応できる。MR-5000の主な仕様は以下の通りだ。
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