PTCジャパンは「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS2015)」(会期:2015年6月24〜26日)に出展し、同社が展開するIoTソリューションによる“デジタルの双子”の価値について訴えた。
PTCは2015年6月24〜26日の3日間、東京ビッグサイトで開催されている「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS2015)」に出展し、同社が展開するIoT(Internet of Things、モノのインターネット)ソリューションによる“デジタルの双子”のデモを実施した。
PTCはCADやPLMなどの製造業向けITの大手ベンダーだ。しかし、2013年12月にIoT関連のアプリ開発プラットフォームを展開するThingWorxの買収を発表※1)した他、2014年7月にはM2MベンダーAxedaを買収※2)。さらに2015年5月には、機械学習と予測分析の米国ColdLightを買収しており、最近はIoTおよびビッグデータ解析領域への取り組みを強化している※3)。
※1)関連記事:PTC、「モノのインターネット」向けアプリプラットフォーム開発企業を買収
※2)関連記事:PTCがM2MベンダーAxedaを買収――“モノのインターネット”事業をさらに拡充
※3)関連記事:IoTで生み出す“デジタルの双子”、新たに解析企業の買収なども発表
ThingWorxの買収から現在までは、IoTと既存のCADなどのビジネスはそれほど大きな相乗効果は生まれておらず、それぞれの事業を進めていた状況だったが「設計者がIoTを扱う1つの形で、相乗効果の1つの例だ」(PTCジャパン CAD事業部長 前田智徳氏)として胸を張るのが「デジタルツイン(Digital Twins、デジタルの双子)」である。
「デジタルツイン」とは、IoTにより取得したデータにより、フィジカルの世界で製品に起こっていることを全て、デジタルの世界にコピーしてしまうことだ。デジタルの世界に“現実世界の双子”がいるような状況となる。これにより、各種データがフィジカルの世界でどういう動きやどういう影響を与えているのかということを、デジタルの世界で再現することができるようになる。
DMS会場では、Santa Cruz Bicyclesと協力して実現した「デジタルツイン」のデモを行った。同バイクは「前輪の回転数」「後輪の回転数」「ペダルの回転数」「ハンドルの角度」「フロントフォークの位置と荷重」「全体を見る6軸加速度センサー」の6つのセンサーを搭載し、これらのセンサーから得た情報を、Raspberry Piベースの通信端末から、PTCのサーバに飛ばしているという。さらにこの情報をThingWorxアプリケーションでほぼリアルタイムで表示する。
例えば、「ハンドルをどれくらい切っているか」や「フロントフォークにどれくらい荷重が掛かっているか」などの定量的な情報に加え、「前輪と後輪の回転数が著しく違うことから、スリップしているのではないか」などのアラートを発信することなどが可能だ。
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