デンソーは、「人とくるまのテクノロジー展2015」において、インチのSiCウエハー上に作り込んだ8cm角のSiC-MOSFETを披露した。従来の5cm角の電流容量が100Aだったのに対して、8cm角は200〜300Aに向上している。
デンソーは、「人とくるまのテクノロジー展2015」(2015年5月20〜22日、パシフィコ横浜)において、SiC(シリコンカーバイド)デバイスの最新の開発成果を披露した。
今回初披露したのは、6インチのSiCウエハー上に作り込んだ8cm角のSiC-MOSFETだ。従来は5cm角が最大だったが、SiCウエハーの欠陥を削減するとともに、1000℃以上が必要になる熱拡散などSiC-MOSFET独自のプロセスを改善することで実現した。
SiC-MOSFETの耐圧は1200Vで5cm角と同じだが、8cm角になって表面積が増えることにより、電流容量が大幅に向上した。5cm角では100Aだったが、8cm角では200〜300Aの電流を流せるという。「現行の電動システムに用いられているSi(シリコン)-IGBTは、10cm角で300A以上の電流容量がある。SiC-MOSFETでも同水準の電流を流せるようにしたいと考え、開発を進めている」(同社の説明員)という。
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