今年は南米の内陸に位置するボリビアからも2組が参戦した。ボリビアには雨季に一帯が鏡のようになって空を映すことで有名なウユニ塩湖がある。ボリビアはラテンアメリカでは最貧国といわれている。ボリビア代表の2チームも、日本まで渡航することが資金的に難しかった。もともと、コマだけ日本に送り、代理の投げ手を立てる予定だった。
「せっかく世界大会で一番にエントリーしてくれたのに、日本に来られない……」という話をみどりかわ氏から聞いた「横浜売れるモノづくり研究会」事務局長の渡邊桃伯子氏は、ボリビアチームの渡航費用をねん出するべく、イベントを開催して寄付を募った。自身もボリビア生まれだという建装の金城博文氏らもサポートし、ボリビアチームの来日が実現したということだ。
金城氏によると、2人とも日本の技術に直に触れて、大いに刺激を受けていたという。職業訓練校生のエリアス君は「ちゃんと勉強して大学に行きたい。試合で勝てなかったのも悔しいので腕を磨きたい」と言っていたそうだ。
また今回は高校生チームが3チームも出場した。群馬県の「富岡実業高校機械研究部 チーム平林」と奈良県の「WE LOVE 旋盤 奈良朱雀高等学校」、そして三重県「YONKOU KIKAI 四日市工業高校」である。
3チームとも2回戦まで勝ち進んだ。中でも大人に混ざりながら、なかなか失投しない度胸と落ち着きぶりで準決勝まで進んだのが朱雀高校だ。
惜しくも4位と入賞は逃したものの、「1年間コマを作り続けてきた。高校では日本一になったので満足!」と充実した様子だった。
世界コマ大戦では、さまざまに進化したコマの戦いを見られた。また特に目を引いたのが海外勢の強さだった。今後の大会がどうなるのか、また海外や世代間の交流が、果たして何を生み出していくのか、今から楽しみだ。
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