今回は、AI(人工知能)を活用して10万原子超からなる全固体電池界面の構造解析を高速/高精度で予測できる分子動力学(MD)シミュレーション技術「GeNNIP4MD」について、富士通にインタビューした記事のこぼれ話を紹介します。
富士通は2025年12月1日、AI(人工知能)を活用して10万原子超からなる全固体電池界面の構造解析を高速/高精度で予測できる分子動力学(MD)シミュレーション技術「GeNNIP4MD」を開発したと発表しました。
10万原子を超える全固体電池界面の構造解析を高速/高精度で予測できるMDシミュレーション技術に関心があったこともあり、富士通にインタビューさせていただきまました。
近年、材料物性を原子レベルで予測する手法として、古典力場や第一原理計算を用いたMDシミュレーションが利用されています。しかし、古典力場を用いたMDシミュレーションは、計算速度が速いが、数理モデルの限界があり計算精度が低いです。第一原理計算は、計算精度は高いが、計算速度が遅いという問題があります。そのため、高速/高精度に予測する手法として、ニューラルネットワーク力場(Neural Network Potential、以下NNP)を用いたMDシミュレーションに関心が寄せられています。
特にこの数年では、さまざまな種類の材料を含む数千万個のデータで訓練されたNNP(以下、公開NNP)が公表され、活用が広がりつつあるそうです。しかし、公開NNPを用いたMDシミュレーションでは、特に全固体電池のような複雑材料で、シミュレーション中に材料構造が崩壊するという問題があります。
こういった問題の解消を目的に、富士通は、ハードウェア向けのアプリケーションやミドルウェアの開発で培った知見を生かして、MDシミュレーション向けNNPの自動生成ツールであるGeNNIP4MDを開発しました。
GeNNIP4MDは、事前学習済みモデルを活用する「知識蒸留」などの独自の訓練技術で、ユーザーのターゲット材料に特化した高精度、高速、高い安定性のMDシミュレーションを実現するNNPを生成できます。
今後、富士通では、GeNNIP4MDの活用を後押しするさまざまな取り組みを展開する予定です。この取り組みについて、こぼれ話として編集後記で紹介します。
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