かつては“環境に悪い”というイメージが先行していたディーゼルエンジンだが、近年の技術改良によって“クリーン”ディーゼルエンジンとしてその環境・燃費性能に注目が集まりつつある。その流れを大きくけん引しているのが、マツダが開発したクリーンディーゼルエンジン技術である「SKYACTIV-D」だ。会見ではCX-3の投入により、マツダが今後もクリーンディーゼル市場の拡大に向けた取り組みを推進する姿勢が示された(関連記事:段違いのクリーンディーゼルだから国内市場でも受け入れられる)。
CX-3は排気量1.5l(リットル)のクリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」専用車となっている。JC08モード燃費は、2WDのマニュアル変速機搭載モデルで25.0km/lを達成している。冨岡氏は「現在、国内クリーンディーゼル乗用車市場は順調に伸びている。その6割をマツダ車が占めている状況であり、CX-3の投入はクリーンディーゼル市場の拡大に大きく貢献すると考えている」と語る。
ディーゼルエンジンが発する騒音に関しても、マツダは独自の技術で対応を進めている。CX-3には、新開発のディーゼルノック音を10dB低減する「ナチュラル・サウンド・スムーザー」が初めて搭載される車両となる。これはクルマが発進する際や低速加速時に車室内で聞こえやすい周波数3.5kHz付近のディーゼルノックオン音を軽減する技術だ。冨岡氏はナチュラル・サウンド・スムーザーを掲げ「この小さな部品でマツダはディーゼルエンジンに革新をもたらす」と意気込みを見せた。(関連記事:ディーゼルノック音を10dB低減する技術、「CX-3」に搭載)。
また、会見に登壇したマツダ 代表取締社長兼CEOの小飼雅道氏は、「CX-3はクリーンディーゼルエンジン専用車で、SUVにふさわしい動力性能と経済性を両立させている。現在、日本国内のクリーンディーゼル市場の規模は、国内の新型車登録台数の2%程度にすぎない。しかしマツダは、少しずつではあるが今後もクリーンディーゼル搭載車の普及に向けてチャレンジを続けていく」と述べる。
続けて同氏は「2012年2月のCX-5発表以降、マツダは新世代商品として4つの新車種を投入した。そして、ユーザーにどの製品を選んでいただいても満足できるよう、その全てに新技術を投入してきた。2015年度は中期経営計画の最終年となるが、新世代商品の第5弾となるこのCX-3は計画の達成に大きく貢献してくれると考えている」とCX-3への期待を語った。
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