サン電子はFA市場向けに各種装置の稼働監視や遠隔制御を可能とするクラウド型のワイヤレスM2Mプラットフォームの提供を開始する。同社は従来ワイヤレスM2Mルータなどハードウェア製品を中心に展開していたが、プラットフォームを組み合わせたソリューションとして提供するのは初めてとなる。
サン電子は2015年1月15日、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)や産業機械など、工場で利用する各種装置の稼働監視や制御を可能にするクラウド型ワイヤレスM2Mプラットフォーム「M2MGrid Platform」を2015年1月下旬から提供することを発表した。
M2MGrid Platformは、同社が2014年8月に株式取得および業務提携を行ったイスラエルのBacsoftが開発し2008年からサービス提供しているプラットフォームをベースに、日本向けに最適化したもの。サン電子がプラットフォームとして提供するアプリケーションにより、PLCや産業機械、センサーデバイスなどの各種装置と連携し、「機器情報の収集、管理」「機器の状態監視、異常通報」「機器の制御」「データ保存」などが実現可能だ。
利用するには、基本的には同社の同プラットフォーム用ゲートウェイ「Rooster GX」を通じて、PLCや各種機器からのデータをセンターサーバに送り、そのデータを基に各種管理やアラート発信、分析などを行えるようにする。データについては、国内のデータセンター業者と提携しており、データそのものを海外に持ち出すことなく利用可能だという。また、三菱電機のMCプロトコルや、汎用プロトコルのModbusなどのFA用プロトコルを搭載しており、データの収集のみでなく遠隔からのPLC制御なども新たにプログラム開発などの必要なしに実現できる。
また、データ通信はSSLによって暗号化され高セキュリティのデータ通信が可能。データの見える化をより分かりやすくするためのインタフェース強化も進めており、ダッシュボードなどにグラフィカルなデータ表示が可能だ。
さらに1ユーザーからの利用が可能で柔軟なカスタマイズが行える。価格は基本サービスで初期設定が1ゲートウェイ当たり20万円、年間の利用料が5万円となっている。「予防保全などに取り組みたい産業機器メーカー、工場の生産性を高めたいユーザー企業などそれぞれでニーズがあると考えている。柔軟性を強みに本格的に導入を広げていきたい」(同社)としている。
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