日本精工、自動車用自動変速機向け「超長寿命プラネタリシャフト」を開発FAニュース

新開発のオリジナル材を採用し、熱処理を最適化したことで、シャフト両端の加締め(塑性加工)による固定方式のプラネタリシャフトを超長寿命化。長寿命品比2.5倍の超長寿命となった。長寿命品と同等の寿命に設計すれば、幅狭化や小径化も可能だ。

» 2014年10月31日 10時30分 公開
[MONOist]

 日本精工は2014年10月10日、自動車用自動変速機や無段変速機、ハイブリットシステム等に使用されるプラネタリ(遊星)機構用「超長寿命プラネタリシャフト」を開発したと発表した。

 プラネタリ機構とは、複数の歯車の自転や公転を組み合わせて、エンジンから入力された力の効率を高める機構。自動車の低燃費化のためには変速機の高効率化が必要であり、その変速機の小型化・軽量化のためには、プラネタリ機構に多く使われているニードル軸受にも小型化・軽量化が求められている。そして、プラネタリ機構を小型化するため、プラネタリシャフト両端面を加締めによりキャリアに固定する方式が増えているという。

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 本製品は、このタイプのプラネタリシャフトを長寿命化したもの。同社が新たに開発したオリジナル材を採用して熱処理を最適化。それにより表面硬度が上がることで長寿命となっている。

photo プラネタリ機構の例

 さらに、高周波焼入れによるシャフト両端面の硬度上昇の影響を小さくすることで、シャフト両端の加締め(塑性加工)を可能にし、キャリアへの固定に対応。加締め性も向上した。

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 これにより、従来の超長寿命品(ピン止めタイプ)と同等の耐久性を維持し、長寿命品比2.5倍の超長寿命となっている。また、長寿命品(加締めタイプ)と同等の寿命に設計すれば、それに対し約30%の幅狭化や約35%の小径化が可能だ。

 同社は本製品の売上として、2018年に20億円を目指すとしている。

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