日本グラファイトファイバー、高熱伝導性C/Cコンポジット材などを開発FAニュース

PAN系炭素繊維にはない、ピッチ系炭素繊維の高い放熱特性・導電性などの特性により、各種電子機器・自動車部品の軽量化や高放熱・導電の高性能化が可能になる。

» 2014年10月17日 18時00分 公開
[MONOist]

 日本グラファイトファイバーは2014年9月3日、ピッチ系炭素繊維の物性を生かした高熱伝導性C/C(カーボンカーボン)コンポジット材と、高熱伝導で導電性もあるマイクロフィラー(超微細粒子)を開発したと発表した。PAN系炭素繊維にはない、ピッチ系炭素繊維の高い放熱特性・導電性などの特性により、各種電子機器・自動車部品の軽量化や高放熱・導電の高性能化が可能になるという。

 新開発の高熱伝導性C/Cコンポジット材は、面方向にアルミ並みの面方向熱伝導率(200W/mK)を維持しながら、独自の工法で繊維方向をコントロールしたことで、厚み方向にも高い放熱特性を持つ。同じ厚みの場合、重量はアルミの約6割と、大幅に軽量化できる。一方、熱膨張率は低く(マイナス)、電子部品に利用される熱膨張率の低いシリコンとの親和性も良い。

 従来のC/Cコンポジット材は、厚み20mm〜50mm程度が一般的だったが、新製品では200μm(0.2mm)を開発。これにより、電子部品がさらに軽量化できる他、高信頼性・高放熱性が求められる各種放熱部材用途にも対応できる。電子基板や電装ボックス、自動車部品など用途向けとなっている。

 また、同時に開発された高熱伝導・導電性マイクロフィラーは、同社の高熱伝導性ミルド「GRNOC HC-600」「XN-100」をさらに微細化したもの。従来品は繊維長50μm(0.05mm)、繊維径10μm(0.01mm)だったが、新製品では繊維径3μm(0.003mm)、繊維長20μm(0.02mm)となっている。そのため、従来と比べて少量のフィラーで、要求される導電性を維持できる。

 同社では、これまで実績のある各種放熱用途(放熱シートなど)やサーマルインタフェースなどに加え、新たに各種導電塗料や導電性を生かした電磁波シールド性の付与材料としての用途を検討しているという。

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