ブラザー工業は、工具100本を搭載できるマシニングセンター「SPEEDIO S700Xd2-100T」「SPEEDIO U500Xd2-100T」と専用オプション「パレットチェンジャーPC-1」を発売した。切削工具の交換を0.7秒、工具28本の総入れ替えを約140秒で完了する。
ブラザー工業は2025年4月1日、工具100本を搭載できるマシニングセンター「SPEEDIO S700Xd2-100T」「SPEEDIO U500Xd2-100T」と、専用オプションの「パレットチェンジャーPC-1」を発売した。
多品種小ロットの生産を効率化するため、治具や工具の段取替え時間の短縮を図って開発した。従来モデル同様、機械前面のタレットマガジンに28本の工具を収納可能。左右それぞれに工具ストッカーを増設して工具を36本ずつ収納することで、計100本の工具を搭載できる。
同社独自の工具受け渡し機構により、タレットマガジンに収納した切削工具の交換(Tool to Tool)であれば0.7秒、チップ交換(Chip to Chip)であれば1.4秒で取り換えが完了する。工具ストッカーからタレットマガジンへの受け渡し時間は、工具1本で最短約5秒、工具28本の総入れ替えなら約140秒となる。
パレットチェンジャーは、加工物を載せたパレットを自動交換する装置だ。加工物を変更するときのパレットの段取替えが不要となる。PC-1は、最大40枚のパレットを収納する。
パレットの搬送方式として、機械のテーブルにパレットを固定するパレットクランプを採用。複数種類の治具をあらかじめ各パレットへ取り付けておくことで、治具をすぐに段取替えできる。加工物や治具の形状を問わずに搬送可能で、ロボットの再ティーチングやロボットハンドの段取替えなどは必要ない。
PC-1をS700Xd2-100TやU500Xd2-100Tと組み合わせて使用すると、工具本数やパレット枚数が同程度の他社マシニングセンターと比べ、設置スペースを約50%削減できる。PC-1 1台に対して、SPEEDIOを2台接続可能だ。
直感的な操作が可能で、コントローラーのパレット管理画面では各パレットの加工状態をアイコンで表示する。パレット品種の登録や搬送操作、運転スケジュールの編集といった機能も備えている。
価格は、S700Xd2-100Tが2080万円(税別)、大型の傾斜ロータリーテーブルを追加したU500Xd2-100Tが2501万円(税別)。パレットチェンジャーPC-1は、要問い合わせとなっている。
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