「コンボ」のプロトコルと充電シーケンス:EV用充電器の通信規格ISO/IEC 15118とは(後編)(4/4 ページ)
車両が充電終了と判断したとき、電力の供給を停止させるために充電終了の要求を送信します。充電スポットは電力の供給を停止して応答を返します(手順⑬)。DC充電の場合は、車両から充電リレーの溶着検出の処理を行うために要求を送信し、充電スポットは充電スポットの状態と出力電圧の情報を応答として返します(手順⑭)。
最後に、車両からV2Gセッション終了のリクエストを送信し、充電スポットが応答を返して充電シーケンスが終了します。
充電終了処理(クリックで拡大)
以上のような通信シーケンスで、ISO/IEC 15118のプロトコルを使用して充電が行われます。
以上、2回にわたってISO/IEC 15118の概要と規格の策定状況、充電プロトコルの概要、通信シーケンスなどについて紹介しました。本稿が、皆さまのISO/IEC 15118プロトコルの理解のきっかけとなれば幸いです。
- 電力平準化や課金を意識して策定された欧州のEV用充電規格「コンボ」
欧州や北米の自動車メーカーが中心になって規格策定を進めている、普通充電と急速充電を1つのコネクタで行える「Combined Charging System(コンボ)」。欧州向けコンボでは、電気自動車と充電器の間をつなぐ通信プロトコルとしてISO/IEC 15118を使用している。本稿では、このISO/IEC 15118について解説する。
- 日本発のEV用急速充電規格「チャデモ」はなぜ国際標準になれたのか
2014年4月開催のIEC(国際電気標準会議)で、電気自動車(EV)用急速充電規格の国際標準として、日本発のCHAdeMO(チャデモ)がついに承認された。チャデモはなぜ国際標準になり得たのか。そのプロセスはどうだったのか。関係者に聞いた。
- 勝者なきEV用急速充電器の規格争い、5年後にはチャデモもコンボもない?
電気自動車(EV)用急速充電器の規格である、「CHAdeMO(チャデモ)」と「Combined Charging System(コンボ)」の争いが話題になっている。現時点で対立を深めているチャデモとコンボだが、近い将来、非接触充電技術を含めたEV用充電器の規格統一に向けた動きが加速しているかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.