トヨタ自動車のレクサスブランドで初となるコンパクトクロスオーバーSUV「レクサスNX」に採用した排気量2.0lの直列4気筒直噴ターボガソリンエンジンは、同社がハイブリッド車専用エンジンで培ってきた燃焼改良と損失低減技術を活用した「高熱効率・低燃費エンジン群」の1つだという。
トヨタ自動車は2014年7月29日、高級車ブランド「レクサス」で初となるコンパクトクロスオーバーSUV「レクサスNX」を開発し、同日に国内市場での販売を始めたと発表した。新開発の排気量2.0l(リットル)直噴ターボエンジンを搭載する「NX200t」と、排気量2.5lエンジンを用いたハイブリッドシステムを搭載する「NX300h」の2モデルをラインアップしている。税込み価格は、NX200tが428万〜518万円、NX300hが492万〜582万円。月間販売目標台数は両モデル合わせて700台。
これまでレクサスブランドでは、1998年発売の「レクサスRX」をはじめ、国内未発売でレクサスRXより大型の「レクサスGX」や「レクサスLX」といったクロスオーバーSUVを販売してきた。しかし近年になって、欧州の車両サイズでDセグメントに属するレクサスRXよりも小さい、CセグメントのコンパクトクロスオーバーSUVの需要が拡大している。レクサスNXは、この需要に応える形で開発された車両だ。
外形寸法は全長4630×全幅1845×全高1645mm、ホイールベースは2660mm。レクサスRXと比べて、全長で140mm、全幅で40mm、全高で45mm、ホイールベースで80mm小さい。
パワートレイン関連で注目されるのは、NX200tに採用した、排気量2.0lの直列4気筒直噴ターボガソリンエンジン「8AR-FTS」だろう。シリンダーヘッド一体型水冷式エキゾーストマニホールドで排気ガス温度を最適化することにより、高い出力性能と燃費性能を実現。過給器のツインスクロールターボチャージャーは、広いエンジン回転域でターボ動作を可能にする。シリンダーヘッド一体型水冷式エキゾーストマニホールドとツインスクロールターボチャージャーを量産車のエンジンに採用するのは「世界初」(同社)だという。
さらに、従来と比べて可変角を拡大した連続可変バルブタイミングリフト機構「Dual VVT-iW」と、筒内直噴と吸気ポート噴射の2つのインジェクタ―を持ち、最適な燃焼効率を生み出す「D-4ST」を採用している。
エンジンの最高出力は175kW(4800〜5600rpm)。最大トルクは、1650〜4000rpmという幅広い回転数で350Nmを発揮し、アクセル操作に対する瞬時のレスポンスや滑らかに素早く伸びていく加速フィーリングをもたらす。JC08モード燃費は12.8km/lとなっている。
トヨタ自動車は2014年4月に、ハイブリッド車専用エンジンで培ってきた燃焼改良と損失低減技術を活用した「高熱効率・低燃費エンジン群」を、2015年までに合計14機種投入すると発表している。8AR-FTSも、この高熱効率・低燃費エンジン群の1つだという(関連記事:トヨタの新開発アトキンソンサイクルエンジン、「マツダやホンダより高性能」)。
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