日立製作所、2.45GHz帯域の電磁波の来る方向を可視化する技術を開発FAニュース

光が来る方向を認識できる人間の目に着目。水晶体と類似した機能を持つ電波レンズと、網膜の役割をする電界センサーを用いて、電磁波源の位置特定・可視化技術を開発した。無線機器の設置現場などで、より効率的にノイズ源を特定できるようになる。

» 2014年06月09日 07時30分 公開
[MONOist]

 日立製作所は2014年5月14日、国内の無線通信機器などで使用されている2.45GHz帯域の電磁波源の位置を特定し、到来方向を可視化する技術を開発したと発表した。これにより、無線機器の設置現場などで、より効率的にノイズ源を特定できるようになる。

 現在、無線通信を利用した機器やデータを収集するM2Mやスマートグリッド、産業システムなどの分野では、信頼性の高い無線通信網の構築が求められている。そのため、他の無線機器との干渉を抑制したり、設置現場におけるノイズ源の位置を特定する技術が必要とされているという。

 同社では、光が来る方向を認識できる人間の目に着目し、水晶体と類似した機能を持つ電波レンズと網膜の役割をする電界センサーで構成された電磁波源の位置特定・可視化技術を開発。電磁波が来る角度に応じて異なる位置に焦点を結ぶルネベルグレンズを用いて微弱な電磁波のエネルギーを焦点に集め、−65.6dBm/m2の高感度を可能とした。さらに、ルネベルグレンズの各焦点に微小な金属セルで構成された低反射電界センサーを設けることで、高い角度分解能を確保した。また、低反射電界センサーからの出力信号を付属のカメラで撮影した画像と重ね合わせることで、目視で電磁波の到来方向を確認できるという。

 なおこの成果の一部は、2014年5月13日〜16日に東京・一橋講堂で開催された「2014 International Symposium on Electromagnetic Compatibility(EMC'14/Tokyo)」で発表されている。

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