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» 2013年07月09日 12時00分 公開

「HEMS道場」とは何か、新たなインキュベーションを探る和田憲一郎の電動化新時代!(5)(3/3 ページ)

[和田憲一郎(エレクトリフィケーション コンサルティング),MONOist]
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法律面からのサポートも

和田氏 弁護士である稲垣氏の役割は。

稲垣氏 HEMS道場について、法律面での課題についてアドバイスしている。具体的には、道場全体の組織作りから、権利/知財の持ち方などである。特に、さまざまな企業との間でマッチングを行っていることから、知財についてはコラボする側で考えていただくようお願いしている。事務局は、基本的に知財に関与しない。また、このようなマッチングにおいては、他に害を及ぼさないように、また安心して議論できるようにすることが大切である。

和田氏 ビジネスマッチングで気を付けなければいけない点について。

稲垣氏 HEMS道場側の目線としては、できる限り活動が促進されるような環境を作ることが大切だ。他者を害することなく責任を持ちつつも、自由にやってほしい。道場はそうした切磋琢磨の場だと認識している。とにかく、いろんなことをやってほしい。全てが現在進行形であり、ある意味爆発過程にあると言える。道場は、皆が「集う」場にしたい。

和田氏 他企業への情報漏れ対策やリスクマネジメントはどうしているのか。

稲垣氏 HEMS道場は、社会、参加者、消費者のためによりよい場を提供することに努めており、他企業の秘匿情報などは受け取らないようにしている。深入りしない。また、参加企業にもいろいろなパターンがあり、公表したくない方、参加していることを名前すらも出したくない方などいろいろである。このようなことから、コア技術は自分で守るようにお願いしている。

和田氏 単独の企業で開発するのと違って、HEMS道場に参加することによって、どのようなメリットが生まれるのか。

稲垣氏 HEMS道場は、家電や組み込みソフトウェアなどをはじめ、異業種・異文化の接触が可能な点がメリットだと考える。拘束は最低限とし、切磋琢磨することで触れ合う機会を作っていきたい。最終的に成果に結び付くように積極的な活動としたい。

 課題は、やはりやってみないと分からないことだろう。道場側としては、積極的にやる姿勢を持ちたい。スマートハウスを作るための場だが、ある意味、道場破り的な発想も必要であろう。われわれはあくまで黒子だと思っている。

弁護士の稲垣隆一氏(左)と筆者 弁護士の稲垣隆一氏(左)と筆者

インタビューを終えて

 従来、HEMSについて、家電、太陽光発電システム、家庭用蓄電池、電気自動車などを連結する制御システムとして捉える傾向があった。しかし、今回の取材を通して、既存のHEMSの枠を超えてさまざまな企業とコラボすることにより、HEMSとつながる範囲が広がっていき、生活に便利なものや健康に役立つものなどを生み出す可能性が見えてきた。

 まさに「モノのインターネット(IoT:Internet of Things)」であり、このような活動を通して、画期的な新商品が生まれてくることを期待したい。

 最後に、HEMS道場とCOMMAハウスのWebページを紹介しておこう。関心がある方はアクセスしていただきたい。

HEMS道場:http://www.hems-dojo.com/index.html

COMMAハウス:http://www.commahouse.iis.u-tokyo.ac.jp/

筆者紹介

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和田憲一郎(わだ けんいちろう)

1989年に三菱自動車に入社後、主に内装設計を担当。2005年に新世代電気自動車の開発担当者に任命され「i-MiEV」の開発に着手。2007年の開発プロジェクトの正式発足と同時に、MiEV商品開発プロジェクトのプロジェクトマネージャーに就任し、2009年に開発本部 MiEV技術部 担当部長、2010年にEVビジネス本部 上級エキスパートとなる。その後も三菱自動車のEVビジネスをけん引。電気自動車やプラグインハイブリッド車の普及をさらに進めるべく、2013年3月に同社を退社して、同年4月に車両の電動化に特化したエレクトリフィケーション コンサルティングを設立した。



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