今回は、3Dプリンタの個人輸入についての解説。「関税」や「輸入許可通知書」など、なじみのない手続きはどうしたらいいの? 意外と簡単なので、やってみよう。英語での住所入力の仕方から説明。
現在MakerBot社の日本語サイトは存在せず、日本に支社もありません。そのため、Replicatorを購入する場合は、販売代理店を通して購入するか、MakerBot社のWebサイトから直接購入(個人輸入)することになります。
直接購入した方が、当然価格を抑えられるので、僕はそちらを選択しました。ただし、これは輸入のリスクを全て自分で負わなければならないので注意です。初期不良などが発生しても、直接メーカーとやりとりしなければなりません。
MakerBotのストアページから購入します。
2013年4月現在、販売されているモデルは3モデルです。
ReplicatorからReplicator2へとバージョンアップしたことで、筐体が木製からスチール製に、最小積層ピッチが0.2mmから0.1mmになりました。ただし、Replicator2はエクストルーダーが1つで、同時に1色のフィラメント(造形材料が巻線状になったもの)しか使用できません。「Replicator 2X」はエクストルーダーの数が2つになったほかに、出力ステージの平面度が向上したり、エンクロージャー(囲い)が追加されたりなど、こまごまとした改良が加わっています。予算範囲内なら、当然上位の機種を購入すべきです。
Amazonなどネット通販でおなじみの言葉です。
注文時は一緒に付属品を購入しておきましょう。材料となるフィラメントはベーシックな色のABSなら国内の通販などでも購入できます(非純正品)。しかしMakerBotでしか購入できない色や素材もあるので、欲しいものがあれば、ここで購入しておいた方がよいです。フィラメントたった1つの購入でも送料が少なくとも38ドルかかってしまいます。
カートに入れて購入まで進む流れは、普通のネット通販サイトと同じです。支払いはクレジットカードが使用できます。
少し戸惑うとすれば、住所や電話番号の入力でしょうか。アメリカのフォーマットだと住所は都道府県、市町村、番地などの記述順が日本と逆、電話番号は1桁目の0が国コードの+81となります。
例えば、住所が「〒100-0001 東京都千代田区千代田123-456」、電話番号が「03-1234-5678」なら、以下のように書きます。
輸入の場合、本体価格と送料に加え、関税、消費税(消費税4%+地方消費税1%)、税関手数料がかかります。関税は品目によって税率が変わりますが、3次元プリンタは無税とのこと。消費税は税関審査時のレートで日本円換算した本体価格の5%、税関手数料は500円でした。
輸入許可通知書は品物と一緒に、請求書は発送後1週間くらいで届きました。税関では配送業者のFedExが手数料を立て替え、後でまとめて請求がくる流れだったようです。
結局、今回掛かった費用を日本円に換算すると内訳と合計は、以下でした(請求時のレートは、1ドル=79.6円)。
合計:18万1956円
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次回は、いよいよReplicatorが到着し、設置するところまで説明します。
森田浩史(もりた ひろふみ)
早稲田大学大学院機械工学科卒業。家電メーカーでカーナビの機構設計に従事。SIerでの勤務後、フリーランスを経てチームラボへ入社。Webシステムの構築をしながらチームラボMAKE部でハード、ソフトを問わずモノづくりに携わっている。
筆者ブログ:「3Dプリンターにバンザイ!」
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