NXPセミコンダクターズが、自動車の機能安全規格であるISO 26262に対応した磁気抵抗(MR)センサーICの開発状況を明らかにした。最も厳しい安全レベルを示すASIL-Dに対応したMRセンサーICを、2013年1月から量産する計画である。
NXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)は2012年10月26日、東京都内で開いた記者会見において、自動車の機能安全規格であるISO 26262に対応した磁気抵抗(MR)センサーICの開発状況を明らかにした。ISO 26262で最も厳しい安全レベルを示すASIL-Dに対応したMRセンサーICを2013年1月から量産する。現在はサンプル供給を行っている段階。
NXPセミコンダクターズのMRセンサーの世界シェアは、磁気センサーを含めた車載市場で第3位、ABS(アンチロックブレーキシステム)向けではトップである。同社はこのABS向けMRセンサーの実績を基に、電動パワーステアリング(EPS)や電子スロットルなどにも製品を展開している。
ISO 26262では、車載システムの安全レベルをASIL-A〜ASIL-Dの4段階で分けている。ASIL-AからASIL-Dに進むに従って、要求される安全レベルは高くなる。自動車の走行機能に深くかかわるEPSや電子スロットルは、ASIL-CもしくはASIL-Dといった高い安全レベルが求められるとみられている。もちろん、EPSや電子スロットルに用いるMRセンサーも、ASIL-CやASIL-Dに対応する必要がでてくる。
NXPセミコンダクターズが開発中のMRセンサーICは、MRセンサーヘッドとセンサー制御用のASICをそれぞれ2個ずつ1つのパッケージの中に搭載することにより、ASIL-CとASIL-Dに対応可能な冗長性を確保した。なお、ASIL-AやASIL-Bについては、既存の製品で対応する方針。
同社でセンサービジネス担当のバイスプレジデント&ジェネラルマネージャを務めるStephan zur Verth氏は、「MRセンサーは、磁気センサーとは異なりレアアースが不要である。中国のレアアース輸出規制によって、MRセンサーの需要は高まっており、今後も安定した成長が続くだろう」と述べている。
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