エンジンルームに設置できるMR角度センサーモジュール

» 2011年08月01日 00時00分 公開
[EDN Japan]

 NXP Semiconductorsは2011年7月、磁気抵抗(MR)素子を用いた角度センサーモジュール「KMA210」を発表した。主に、自動車のスロットル制御システムや、排出ガス再循環装置(EGR)など、エンジンルームなどの高温環境に設置される車載システムの用途に向ける。すでに量産出荷を開始している。


 KMA210は、MR素子を組み込んだセンサー部と、SOI(Silicon on Insulator)技術をベースとするNXP独自のABCD9プロセスによって製造した信号処理用のASICチップや、従来は外付けしていた2個のコンデンサを一体化した信号処理部に分かれている。センサー部と信号処理部は6本の端子によって接続されており、信号処理部は外部回路との接続端子を3本備えている。センサー部と信号処理部をつなげる6本の端子は折り曲げることができるので、センサー部を車載システムの回転部の中に設置することが可能だ。

 最大の特徴は、ABCD9プロセスで製造した信号処理用のASICチップによって、高い測定精度と堅牢性を備えていることである。まず、角度測定における分解能は最小で0.04度を実現している。そして、動作温度範囲は−40〜160℃と広く、耐ノイズ性能やESD(静電気放電)性能も高い。これらの性能により、エンジンルームなどの高温環境において、高精度の角度測定を行う車載システムに最適とされている。さらに、車載部品の品質規格であるAEC-Q100にも準拠している。

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