トヨタ自動車が豊田市内に車両工場を新設、2030年代初めに稼働製造マネジメントニュース

トヨタ自動車は愛知県豊田市の貞宝町周辺に車両工場を新設する。新工場は2030年代初めの稼働を目指す。

» 2025年08月07日 16時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 トヨタ自動車は2025年8月7日、愛知県豊田市の貞宝町周辺に車両工場を新設するための土地を取得すると発表した。新工場は2030年代初めの稼働を目指す。生産車両は今後検討する。貞宝町には機械設備や金型を手掛ける貞宝工場がある。

 同社は「国内生産300万台」の体制維持を掲げている。トヨタ/レクサスブランドでの2024年度の国内生産は前年度比2.2%減の323.6万台だった。2025年度は同3.5%増の335万台を計画している。

 直近では、トヨタブランドの「ハイラックス」「ランドクルーザー250」や、小型トラックなどを生産する日野自動車の羽村工場をトヨタ自動車に移管することも決まった。日野自動車の完全子会社となる新会社を設立し、新会社が羽村工場を承継。新会社の全株式を日野自動車からトヨタ自動車に譲渡することで2026年4月1日に移管を完了させる予定だ。トヨタグループのフレーム車の中核工場の1つとして競争力を磨いていく。

 国内の新工場はトヨタ自動車東日本が2012年7月に発足して以来となる。トヨタ自動車東日本は、中部や九州に続く「東北のモノづくり拠点化」と、開発から生産まで一貫してコンパクトカーを手掛けることによる収益性強化を目的に関東自動車工業、セントラル自動車、トヨタ自動車東北が統合されて発足した。東北でエンジン工場を新設した他、東北地域での部品調達や、トヨタ東日本学園を通じた中長期的な人材育成などにも取り組んできた。

 トヨタ自動車東日本の東富士工場は2020年12月に閉鎖されたが、実験都市「ウーブンシティー」に生まれ変わった。2025年9月から第1期のエリアでトヨタ関係者などが居住を開始する。また、ウーブンシティーで実証実験を行う「Inventors」として参加する企業も拡大している。

トヨタ自動車の国内生産拠点
工場 主な事業内容・生産品目 完成年月
本社工場 鍛造部品、ハイブリッド用部品、FC部品、シャシー部品 1938年11月
元町工場 クラウン(セダン)、クラウン(クロスオーバー)、MIRAI、センチュリー(セダン)、bZ4X、ノア、ヴォクシー、GRヤリス、GRカローラ、LC、RZ、LBX、ソルテラ(スバル) 1959年8月
上郷工場 エンジン 1965年11月
高岡工場 RAV4、ハリアー 1966年9月
三好工場 駆動関係部品、鍛造部品、エンジン関係部品 1968年7月
堤工場 クラウン(クロスオーバー)、クラウン(スポーツ)、クラウン(エステート)、カローラ、カローラ ツーリング、カローラ スポーツ、プリウス、カムリ 1970年12月
明知工場 駆動関係部品、鋳造部品 1973年6月
下山工場 エンジン、FCタンク 1975年3月
衣浦工場 駆動関係部品 1978年8月
田原工場 ランドクルーザー250、4Runner、GX、LS、IS、RC、RC F、NX、LM、センチュリー、エンジン 1979年1月
貞宝工場 機械設備、樹脂型、鋳造型、鋳鍛型 1986年2月
トヨタ自動車九州 ES、UX、NX、RX、エンジン、ハイブリッド用部品 1992年12月
トヨタ自動車北海道 トランスミッション、駆動関係部品、鍛造部品 1992年1月
トヨタ自動車東日本 アクア、シエンタ、JPN TAXI、ヤリス、ヤリス クロス、カローラ アクシオ、カローラ フィールダー、カローラ クロス、LBX、教習車、エンジン、駆動関係部品、ブレーキ関係部品 2012年7月
トヨタ車体 ノア、ヴォクシー、ハイエース、エース、アルファード、ヴェルファイア、ランドクルーザー300、ランドクルーザー70、コースター、LX、救急車 1945年8月
ダイハツ工業 ルーミー、プロボックス、ライズ、ピクシス エポック、ピクシス トラック、ピクシス バン、コペン GR SPORT、エンジン 1907年3月
トヨタ自動車九州、トヨタ自動車北海道、トヨタ自動車東日本、トヨタ車体、ダイハツ工業はトヨタ自動車の100%出資会社。

→その他の「製造マネジメントニュース」関連記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.