第46回東京モーターショー2019 特集

「ヴィッツ」が全面改良で「ヤリス」に、トヨタ初の右左折時自動ブレーキも車両デザイン(1/3 ページ)

トヨタ自動車は2019年10月16日、全面改良した「ヤリス」を世界初公開した。日本では「ヴィッツ」として販売されてきたが、フルモデルチェンジを機に日本向けも車名をヤリスに統一する。日本での発売は2020年2月中旬を予定している。

» 2019年10月16日 15時00分 公開
[齊藤由希MONOist]
全面改良した「ヤリス」(クリックして拡大)

 トヨタ自動車は2019年10月16日、全面改良した「ヤリス」を世界初公開した。

 日本では「ヴィッツ」として販売されてきたが、フルモデルチェンジを機に日本向けも車名をヤリスに統一する。日本での発売は2020年2月中旬を予定している。また、「第46回東京モーターショー2019」(一般公開日:2019年10月24日〜11月4日、東京ビッグサイト他)の期間中は都内の商業施設「ヴィーナスフォート」で新型ヤリスを展示する。トヨタ自動車東日本の岩手工場で生産する。

 新型ヤリスはTNGA(Toyota New Global Architecture)のコンパクトカー向けプラットフォーム「GA-B」を初採用するモデルとなる。「小さくてアフォーダブルでありながら、ドライバーをチープな気持ちにさせないこと」(トヨタ自動車 社長の豊田章男氏)を重視し、トヨタ初となる運転支援機能などを採用。

 また、コンパクトカーならではの軽さを生かした軽快な走りを実現するため、軽量化とねじり剛性の向上に取り組んだ。また、パワートレインも新開発し、ハイブリッド車として世界最高レベルの良好な燃費を目指す。ハイブリッドモデルには電動4WDシステム「E-Four」を設定する。

新型ヤリスの外観(クリックして拡大)

トヨタ初の機能を盛り込む

 新型ヤリスの車両サイズは全長3940×全幅1695×全高1500mmで、ホイールベースが2550mmとなる。ハイブリッドモデルは現行モデル比で50kg軽量化した。ボディーで30kg、パワートレインで15kgを減らしたという。燃費は正式に公表していないが、現行モデルからWLTCモードで20%向上させるとしている。現行モデルの燃費はJC08モードで34.4km/l(リットル)だ。

現行モデルと新型ヤリスの諸元値の比較
全長 全幅 全高 ホイールベース 車両重量
現行ヴィッツ 3945 1695 1500 2510 1100
新型ヤリス 3940 1695 1500 2550 1050
ハイブリッドモデルのFグレードでの比較。新型ヤリスは社内測定値。

 新型ヤリスは高度運転支援システム「Toyota Safety Sense」が標準装備となる。トヨタ自動車のコンパクトカーとして初搭載の機能や、トヨタ自動車として初採用となる技術も含まれている。コンパクトカーとしては、高速道路で時速30km以上で走行中に先行車両に追従する「レーダークルーズコントロール」や、レーダークルーズコントロール作動時に車線中央を走行するようトレースをサポートする「レーントレーシングアシスト」、車線変更時の後側方の車両を知らせる「ブラインドスポットモニター」、駐車場で後退中に接近してくる車両を検知する「リアクロストラフィックオートブレーキ」が初採用となる。

 また、Toyota Safety Senseの機能の1つである衝突被害軽減ブレーキは、トヨタ自動車として初めて右折時の直進車両や右左折時の横断歩行者の検知に対応した。これまでは直進方向の歩行者や車両を検出していたが、ソフトウェアの変更により、ステアリング操作から曲がる方向を予測し、予想進路上にいる歩行者や車両を検知できるようにした。右左折時の検知は夜間への対応も進めている。

右折時の直進車両や右左折時の横断歩行者の検知のイメージ(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

 新型ヤリスのToyota Safety Senseで使用する周辺監視用センサーのハードウェアは、第2世代のToyota Safety Senseとして発表した時から変更していない。開発者は「ハードウェアとソフトウェアそれぞれをレベルアップしていく。ハードウェアはあるタイミングでの進化になるが、ソフトウェアの変更で実現できる新機能は積極的に採用していきたい」と説明した。

Toyota Safety Senseのセンサーのハードウェアは第2世代のものだが、ソフトウェアの変更によって新機能を搭載した(クリックして拡大)
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