EV版「スマート」が予約受付を開始、エコカー補助金次第で200万円以下も電気自動車

2人乗り小型車「スマート フォーツー」の電気自動車(EV)モデルである「スマート電気自動車」の国内予約受付が始まった。型式認定が終わっていないためエコカー補助金の額は未定ではあるものの、実質価格が200万円以下になる可能性もある。

» 2012年05月24日 18時49分 公開
[朴尚洙,@IT MONOist]

 メルセデス・ベンツ日本は2012年5月24日、2人乗り小型車「スマート フォーツー」の電気自動車(EV)モデル「smart fortwo electric drive(スマート電気自動車)」の予約受付を開始すると発表した。価格は税込みで295万円。納車開始は2012年内を予定している。

 現時点で、スマート電気自動車は型式認定が終わっていないため、エコカー補助金の額は未定である。ただし、日産自動車の「リーフ」や三菱自動車の「i-MiEV」のエコカー補助金が72万円〜96万円であることを考えれば、実質価格は230万円以下になるとみられる。さらに、独自にEV購入時の補助金を出している神奈川県などでは200万円以下になることも期待できる。ただし、スマート電気自動車の納車時期によっては、予算超過になってエコカー補助金が打ち切られている可能もあるので注意が必要だ。

 スマート電気自動車は、Daimler(ダイムラー)が2007年から開発と実証実験を進めてきた、市街地の短距離走行に特化したEVである。モーターは、最高出力が55kW、最大トルクが130Nmで、最高時速は120km以上を達成している。容量17.6kWhのリチウムイオン電池パックを搭載しており、満充電からの走行距離はNEDC(新欧州ドライビングサイクル)モードで140km以上。普通充電コネクタを使って家庭用電源から充電することが可能で、充電時間は200V電源で8時間となっている。リーフやi-MiEVとは異なり、急速充電には対応していない。

 また、国内市場での納車に合わせて、充電スポットの案内に対応したカーナビゲーションシステムをディーラーオプションで提供する予定である。さらに、「国内正規販売店に充電スタンドを配備する」(メルセデス・ベンツ日本)方針だ。

「スマート電気自動車」とメルセデス・ベンツ日本の社長を務めるニコラス・スピークス氏「スマート電気自動車」のメーター 左の写真は、「スマート電気自動車」とメルセデス・ベンツ日本の社長を務めるニコラス・スピークス氏である。右の写真は、スマート電気自動車のダッシュボード中央にある2個のメーター。左側は電池の充電状態を示している。右側のメーターは、中央の「0」を中心に、回生ブレーキで電池に充電している時には左側に、電池の電力を使ってモーターを回転させる時には右側に振れる。

 同日、スマート フォーツーの新型モデルも発表された。今回のモデルチェンジでは、ベースグレードの「スマート フォーツー クーペ mhd」の税込み価格が、従来よりも25万円安い159万円に設定された。低価格化のために、スカート部の材料に樹脂を採用したり、内装のファブリックの素材を見直すなどしたものの、基本性能は従来と変わらないという。

 新型モデルは、「セルフコンフィデンス(自信)」をテーマに、従来モデルと比べて車両のデザインが大幅に変更されている。特に、車両を正面から見た外観では、フロントグリルのデザインを従来のメッシュ構造から立体的なハニカム構造に変更。さらに、従来はボンネットの端に配置していたスマートのエンブレムの位置を、クローム加工した上でサイズを大型化し、フロントグリルの中央に移している。スマート電気自動車のデザインも、この新型モデルと同じである。

新型「スマート フォーツー」の車両正面発表会場に並ぶ新型「スマート フォーツー」 左の写真は、「スマート フォーツー」新型モデルの車両正面である。右の写真は、発表会場の「メルセデス・ベンツ コネクション」(東京都港区)にずらりと並ぶ、新型「スマート フォーツー」。

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