QNXソフトウェアシステムズが開発中の車載情報機器向けアプリケーションプラットフォーム「QNX CAR 2」は、標準でHTML5ベースのアプリケーションをサポートしている。
QNXソフトウェアシステムズは、「第15回 組込みシステム開発技術展(ESEC2012)」(2012年5月9〜11日、東京ビッグサイト)において、カーナビゲーションシステムやディスプレイメーターといった車載情報機器向けアプリケーションプラットフォームの新バージョン「QNX CAR 2」を公開した。現在はまだ開発中で、2012年11月に正式リリースする予定である。
QNX CAR 2は、同社のリアルタイムOS「QNX Neutrino」をベースに、車載情報機器に必要となるミドルウェアを組み合わせて提供する「QNX CAR(Connected Automotive Reference)」の最新版である。従来のQNX CARは、Adobeの携帯電話機向けの「Flash Lite」に対応するアプリケーションをHMI(Human Machine Interface)などに利用できることを特徴としていた。しかし現在、AdobeはFlash Liteの新バージョン開発を中止するとともに、「AIR」を使ったHTML5ベースのアプリケーション開発を促進する方針を明らかにしている。
この流れを受けて、QNX CAR 2は、標準でHTML5ベースのアプリケーションが利用できるようになっている。また、既存のQNX CARで使用していたFlash LiteベースのHMIも、QNX CAR 2と同時にリリースされる「UI Core」というツールを介して利用できる。QNXソフトウェアシステムズでアジア太平洋地区営業統括部長を務めるキム・クルーガー氏は、「この1年間でHTML5対応への要求が一気に高まった。これまで車載情報機器のユーザーは、スマートフォンなどのモバイル機器とは異なり、購入時と同じアプリケーションやHMIで我慢するしかなかった。しかし、HTML5ベースのアプリケーションやHMIを利用できるQNX CAR 2を使えば、いつでも最新のものにアップデートできるようになる」と述べている。
この他、QNX CAR 2は、ベースOSのQNX Neutrinoの仕様やミドルウェアなどに、Research In Motion(RIM)のタブレットPC「PlayBook」のプラットフォームを使用していることも特徴となっている。
展示では、ARMのアプリケーション用プロセッサコア「Cortex-A9」を2個搭載するTexas Instrumentsの「OMAP4430」とQNX CAR 2を使って、HTML5ベースのHMIを動作させるデモンストレーションを行った。
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