新材料の採用で静電容量が2倍に、TDKが車載対応積層セラコンの新製品を投入車載電子部品

TDKは、静電容量範囲を最大で従来比2倍に増やせる新たな誘電材料を採用した積層セラミックコンデンサの新製品を発売した。X8Rという温度特性の規格をクリアしており、自動車のエンジンルーム内で使用できる。

» 2012年05月01日 17時17分 公開
[朴尚洙,@IT MONOist]

 TDKは2012年4月26日、静電容量範囲を最大で従来比2倍に増やせる新たな誘電材料を採用した積層セラミックコンデンサ(積層セラコン)の新製品を発表した。−55〜150℃の使用温度範囲で静電容量変化率が±15%以内という温度特性の規格X8Rをクリアしており、自動車のエンジンルーム内に搭載するECU(電子制御ユニット)で利用できる。車載向けの他、産業用機器のスイッチング電源の平滑回路などにも適している。サンプル価格は、外形寸法が3.2×1.6mm×1.8mm、定格電圧が50V、静電容量が1μFの品種で50円。既に1カ月当たり500万個の規模で量産を開始している。

 新製品は、TDKが得意とする材料技術と多層積層技術を活用して、静電容量を高めるとともに、車載向けで必要となる信頼性を確保した。これにより、平滑回路やデカップリング回路を構成する際に、従来よりも小型の積層セラコンを使ったり、より高い静電容量を持たせたりすることが可能になる。

 サンプル価格の例として挙げた以外の品種の外形寸法/定格電圧/静電容量は、3.2×2.5×2.8mm/16V/10μF、2.0×1.2×1.45mm/50V/0.22μF、1.6×0.8×0.95mm/50V/0.1μF、1.0×0.5×0.55mm/50V/0.01μFなどとなっている。

関連キーワード

車載 | TDK | コンデンサ | ECU | エンジン


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.