デンソーは、2012年3月22〜31日の間、中国の同済大学と共同で車車間通信・路車間通信を活用した交通制御システムの実証実験を開始。緊急時の優先通行と衝突事故の防止効果を検証する。
近年、中国の大都市では車両台数が飛躍的に増加し、慢性的な交通渋滞が問題となっている。このままでは、衝突事故の増加だけでなく、救急車や消防車といった緊急車両の通行の妨げにもなってしまう。渋滞をなくし、スムーズな車両の通行を実現するにはどうしたらよいだろうか。技術による解決が期待される。
現在、交通の流れの円滑化を実現する技術の1つとして期待されている技術が、「車車間通信・路車間通信」である。自動車と信号機などの路側のインフラ機器に無線通信機を搭載・設置し、車両情報や道路情報を通信することにより、渋滞の緩和や衝突事故の防止に役立てるというものだ。
この車車間通信・路車間通信の開発に2003年から取り組んでいるデンソーは、2012年3月22〜31日の間、中国の同済大学と共同で車車間通信・路車間通信を活用した交通制御システムの実証実験を開始する。これまでも同社は、自動車メーカーと日米欧の政府機関が協力して実施している各種実証実験に車車間通信・路車間通信向けの車載機を提供してきたが、中国の公道での実証実験は初だという。場所は、江蘇省太倉市(たいそうし)で行われる。
今回の実証実験では、車車間通信・路車間通信を活用して、救急車や消防車などの緊急車両が自車の位置や進行スピードなどを、周囲の車両や路側のインフラ機器に伝え、交差点の信号変更や前方車両の車線変更指示などを行う。緊急時の優先通行と衝突事故の防止効果を検証するものだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.