「融合と循環」で半導体に新たなイノベーションを、三井不動産が「RISE-A」設立組み込み開発ニュース(1/2 ページ)

三井不動産が、国内半導体産業のエコシステム構築の促進を目的とする一般社団法人「RISE-A」を設立した。2025年10月に東京・日本橋に開設予定の「RISE GATE NIHONBASHI」を拠点として活動を始める予定である。

» 2025年07月17日 07時30分 公開
[朴尚洙MONOist]

 三井不動産は2025年7月16日、東京都内で会見を開き、国内半導体産業のエコシステム構築の促進を目的とする一般社団法人「RISE-A(Revolutionary Innovation by Semiconductor Ecosystem for All Industries:ライズ・エー)」を設立したと発表した。同日から会員募集を開始し、同年10月に東京・日本橋に開設予定の「RISE GATE NIHONBASHI」を拠点として活動を始める予定である。参加会員数の目標は年間で100組織としている。

RISE-A 理事長の天野浩氏(右)と副理事長の山下和則氏(左) RISE-A 理事長の天野浩氏(右)と副理事長の山下和則氏(左)[クリックで拡大]

 RISE-Aは、半導体や半導体製造装置、半導体材料といった半導体産業を構成する企業だけでなく、自動車や産業機器、通信、医療機器など半導体のユーザー企業や、政府や自治体、大学/研究機関といったサポーターが、立場を超えた共創/協調のための場と機会の提供を目的とする団体である。半導体のサプライサイドとなる半導体業界だけでなくユーザーサイドも含めた多様な企業や組織が交流を深めることで、半導体を活用した産業イノベーションの創出を後押しする狙いがある。

RISE-Aのコンセプト RISE-Aのコンセプト[クリックで拡大] 出所:三井不動産

 RISE-Aの理事長には名古屋大学 教授の天野浩氏が就任した。天野氏は「半導体製造の垂直統合から水平分業への移行が進んでいる。水平分業にはさまざまなメリットがあるものの、新たな価値を持つ半導体の創造や、日本としての独自性の出し方、リサイクルによる元素循環への取り組みが難しくなっているという課題もある。RISE-Aは、これらの課題解決を目指して半導体における『融合と循環』を提供していきたい。半導体サプライヤーとユーザーの融合、材料の融合、ベテランと若手の融合、産業界/学界/金融界/行政の融合、知識循環、ファンド循環、人材循環、そして元素循環などを実現する」と語る。

 RISE-A 副理事長で三井不動産 常務執行役員 イノベーション推進本部長の山下和則氏は「三井不動産は産業デベロッパーとして、単なる不動産開発にとどまらず、産業の成長を支える場と機会を提供し社会全体の発展に寄与することを目指している。これまでも、2016年にライフサイエンス分野で『LINK-J』を、2023年に宇宙分野で『cross U(クロスユー)』を設立しており、産業支援コミュニティーとして多くの成果が得られている。RISE-Aでは、デジタル社会の基盤技術である半導体を活用して全ての産業にイノベーションを届け、日本の次世代産業競争力の強化につなげていきたい」と述べる。

LINK-Jcroos U 産業支援コミュニティーの事例である「LINK-J」(左)と「croos U」(右)[クリックで拡大] 出所:三井不動産
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