スマホのカメラで食事内容を記録――ソニーの「食事写真自動判別技術」を応用したダイエットユーザーは写真を投稿するだけ

グリーンハウスとその関連子会社のウィットは、ソニーが開発中の食事写真自動判別技術を応用した実証実験を開始。複数の料理をまとめて1枚の写真として撮影しても、その写真の中に含まれている料理の数と領域を自動的に判別し、1つ1つの料理名を自動的に推定できるという。

» 2012年03月12日 17時17分 公開
[八木沢篤,@IT MONOist]

 ダイエットや健康への興味・関心というものは、いつの時代も尽きないものだ。中高年にもなるとメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予防に、ウォーキングやジョギング、食事制限などに取り組むなんていうことも珍しくはない。

 こうしたダイエットや健康管理は長期継続こそが最大の効果を生む。しかし、長期間続けることは難しい。

 最近では「毎日楽しく健康管理」をうたうような通信機能を備えた便利なデジタルヘルスケア機器なども世の中に登場し、簡単に体重・体脂肪・血圧・歩数などを計測/管理できるようにはなってきたが、食事内容、つまり「何を食べたか」に関してはほとんどの場合、自分で記録するしかない……。365日、食事のたびにメモして、専用のWebサービスにアクセス(あるいは、専用アプリケーションを起動)し、入力する。考えただけでもお手上げだ。

 そんな悩みを解決してくれるサービスを、実証実験として開始しようとしている企業がある。食とホスピタリティに関連した事業を展開するグリーンハウスとその関連子会社のウィットだ。

 実証実験は、ウィットが運営する健康管理・ダイエットサイト「あすけん」を通じて行われる。ユーザーから投稿された食べ物の写真を基に、栄養価の算出と食生活改善アドバイスを行うというものだ。今までのように手でメモを取り、入力する必要がない。携帯電話やスマートフォンのカメラで料理を撮影し、SNS(Social Networking Service)に投稿するかのように、サーバ側へ投稿するだけだ。実験開始は3月21日からを予定。なお、3月13日からあすけん会員を対象に実験参加者を募集するとのことだ。

 今回の実証実験で利用する技術は、(1)複数の料理をまとめて1枚の写真として撮影しても、その写真の中に含まれている料理の数と領域を自動的に判別し、(2)1つ1つの料理名を自動的に推定できるというもので、ソニーの「食事写真自動判別技術」が応用されているという。

食事写真の登録と料理判別の流れ 画像1 食事写真の登録と料理判別の流れ 自分がこれから食べようとする料理を携帯電話やスマートフォンのカメラで撮影し、その画像データをあすけんのサーバに送る。そして、画像データを受け取ったサーバ側のプログラムで、画像の中に含まれる料理の数とその領域を自動判別する。続いて、個別の料理に対して、「ご飯」「味噌汁」「魚料理」などの料理内容を自動的に推測し、その結果をユーザーにフィードバックする。必要に応じて修正もできる

 あすけん側では、推定された料理内容をメニューデータベースと照合し、カロリーをはじめとする料理の栄養価を算出。さらに、算出された栄養価を基にした栄養士による食生活改善アドバイスを提示するなどし、ユーザーの健康増進やダイエットをサポートする。

「あすけん」サイト上での画面イメージ 画像2 「あすけん」サイト上での画面イメージ

 なお、ウィットは今回の実証実験を通じて、解析技術の精度や利便性などを確認するとともに、ユーザーからのフィードバックを受けて、さらなる精度・利便性の向上を図るとしている。

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