これぞロボット大図鑑だ!――【2011国際ロボット展】フォト&ムービーレポート再検証「ロボット大国・日本」(9)(1/4 ページ)

国内外の最先端ロボットが多数集結した「2011国際ロボット展」。産業用途をはじめとする実用的なものからユニークなものまで、非常に多くのロボットに出会うことができた。今回は、展示会場の模様を多数の写真と動画でお届けしたい。

» 2011年12月06日 00時00分 公開
[大塚実,@IT MONOist]

 ロボット業界の一大イベントである「2011国際ロボット展(INTERNATIONAL ROBOT EXHIBITION 2011)」が2011年11月9〜12日の日程で開催された。

 連載「再検証『ロボット大国・日本』」の第9回目となる今回は、展示会場の模様を多数の写真と動画でお伝えしたい。


「やすかわくん」のデコミラー作り――安川電機

 安川電機の双腕ロボット「やすかわくん」は、新しい作業に挑戦。今まではソフトクリームを作っていたが、今回は“デコミラー”作りを初披露していた。やすかわくんは、産業用ロボットの新しい市場の開拓を狙い、同社が“一坪店舗システム”として展開しているもの。デコミラーは新たなアプリであるが、導入先は未定だという。

左手で糊(のり)を付けて、右手でストーンを配置。人間だと数時間かかるというデコミラー作りも20分程度で完了

タッチパネルに表示されるメニューから、柄を選ぶこともできる タッチパネルに表示されるメニューから、柄を選ぶこともできる
デコミラーの作例 デコミラーの作例

 三品市場(食品・医薬品・化粧品)向けの物流システムでは、双腕ロボットによる段ボール箱作りを見ることができた。左手に装着したテープを器用に使って、箱の組み立てと、フタ閉め作業を行っていた。人間一人分のスペースしか使わないため、最低限の設備改修でロボットを導入できる。

双腕ロボットが器用に段ボール箱を組み立てている

 安川電機のブース内では、同社の双腕ロボットを使って大日本スクリーン製造が開発した「ティーチングレスシステム」も紹介されていた。通常、産業用ロボットではペンダントと呼ばれる操作端末を使って動きを設定する必要があるが、実はこれにかなりの時間がかかっていた(10分程度の動作のために1週間ほどかかることもあるとか)。このシステムは、CADのデータを基に、動作のプログラムを自動生成できるというもので、少量多品種でもロボットを導入しやすくなる。

実物との誤差が出ても、左手のステレオカメラで見ることで誤差を修正する。最悪10cmくらいずれていても大丈夫とのこと

通常はこのペンダントを使ってロボットを動かす 通常はこのペンダントを使ってロボットを動かし、現物合わせで動作を設定する必要があった

お総菜のピッキングロボ――ファナック

 ファナックは、ド迫力の大型ロボット「M-2000iA/1200」を出展。ブース内で、大型鋳物を工作機械に設置するデモを行っており、来場者の注目を集めていた。

このロボットは最大1.35tまでのハンドリングが可能だ

 そして、用途として面白かったのは、総菜のピッキングシステム。大根、卵、ニンジン、シイタケ、切り身をトレーから1つずつ取り上げ、ベルトコンベアに乗せていくもので、これは食品加工メーカーに実際に導入されているそうだ。アームの先には3軸力センサーが搭載されており、規定の重量以下の具材は判別して除外する機能もある。食品を扱うということで、このロボットは丸洗いも可能だ。

形の違う具材も空気で上手に吸い上げる。ここでまとめた後、パウチの工程に回される
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