宇宙航空研究開発機構(JAXA)のブースでは、同機構が実施している「月面ロボットチャレンジ」で選定されたロボットが紹介されていた。このチャレンジは、将来の月探査や月面拠点構築に向けた技術課題をクリアするために、広くアイデアを募集する試み。「クレータ中央丘岩石採取作業」「拠点モジュールの埋設」という規定課題と、テーマに縛られない自由課題があり、7件の提案が採択されている。
富士重工業と住友商事が共同開発したのは、オフィスビルの専用部(オフィスエリア)を対象とした清掃ロボット。共用部(廊下とエレベータホール)の掃除ロボットについては、既に10年以上の稼働実績があり、今回の専用部ロボットの実用化によって、オフィスビルの清掃の大部分を自動化できるようになった。
専用部は共用部と違い、机やイスなどがあるため、ロボットによる清掃が難しかった。両社が開発したロボットでは、人間のスタッフとの協調作業とすることで、この問題を解決。机の下などはスタッフが掃除して、通路の部分はロボットが担当する。デモでは、アップライト型掃除機を使っていた従来のやり方と比べ、作業効率が2倍程度向上するとアピールされていた。
ちなみにこのロボットは、壁に張り付けられたリフレクタを使って、自分の位置を検出している。ロボットからは灯台のようにクルクルとレーザー光が出ており、リフレクタで反射して戻ってくるまでの時間から、リフレクタまでの距離が分かる。リフレクタの位置は既知なので、3カ所以上の距離が分かれば、ロボットの位置を特定できるというわけだ。
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